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“夢の国”ディズニーワールドに「リアルな動物園」ができたワケ

「人を納得させるプレゼン」超意外な方法
「データはあるのか」「根拠のないことを言うな」……。いくらロジカルシンキングや伝え方の本を読んでも、人を納得させるのは容易ではない。新刊『感性思考』を出版した佐々木康裕氏は、「人はロジックだけでは動かない。感性を揺さぶると人は動きやすい」と言う。感性重視の伝え方とは何か。夢の国ディズニーワールドの事例を基に解説してもらった。

いかにドラマチックに伝えるか

プレゼンの目的は、聞き手に次のアクションを起こしてもらうこと。

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我々はついデータや論理をもとにしたロジカルな伝え方をしてしまいがちです。

しかし人は実際、感情を持った非合理的な存在。人を動かしたければ、ロジックより感性に訴えるほうが賢明です。

私はかつて、MBAへの留学を考えていましたが、最終的にはMBAではなく米国のデザインスクールへ留学しました。こうしたロジックだけでは解決できない問題に対処するためです。

そこで学んだデザインスクール流のプレゼンテーションを端的に示す例として、まずは米国・フロリダにある夢の国ディズニーワールドの例を紹介しましょう。

これは、シリコンバレーにあるデザインファームJump Associates のファウンダーのデヴ・パトナイクが書いた『Wired to Care』(未訳)に紹介されているエピソードです。

20年以上も前のこと。世界中にファンがいるディズニーワールドを運営しているアメリカ本場のウォルトディズニー社ではそのころ、数年に一度は、フロリダにあるディズニーワールド内で動物園をやりたいという提案が現れていたのだそうです。

 

しかし、ディズニーワールドはファンタジーを売る場所。そこにリアリティーを持ち込むのはあってはならないこと、と経営会議で上層部に即却下されていました。

この動物園へのトライの失敗の歴史を初めて打破したのが、ジョー・ローデという青年です。世界中の未開の地を旅していた彼は、ジャングルや動物のようなコンテンツがディズニーにとって非常に重要になる、と固く信じていました。