ジャーナリストの島沢優子さによる連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」。長く教育現場を取材してきて、「自分たちがされてきた教育」だけではなく、アップデートした新しく正しい知識を持つことの重要性を感じた島沢さんが「子どもが本当に伸びる教育」とは何かを伝えている。

今回は、新型コロナ感染拡大の影響で現在注目されている「若者」について。自粛要請をしても外出することが話題になっていたが、そこにある背景とは何か。そしていったいどうやったら我慢をすることができるのだろう――。

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小池都知事会見のあと
大学生の息子が外出

小池知事による東京都の週末自粛要請が出た3月25日からすぐのこと。
テレビや新聞で、都心で多くの若者が集まり歌ったり飲酒したり、深夜には泥酔者が路上に倒れるなどの騒ぎがあったと報じられた。
本来なら「あらあら、こういうのはダメねえ」と眉をひそめていたいところだが、大学4年生になるわが息子もこの日「約束があるから出かける」と言い張りしばし揉めた。ただ、夜早々に戻ってきたのは息子の中に自粛する気持ちが芽生えたからだろうと察する。

同じ年頃の子を持つママ友たちも、わが子の説得に手を焼いている。
18歳のフリーター息子をもつママは自粛の「じ」を伝えようとしたが、時すでに遅し。息子の姿はなく、週末を利用してスノーボードに出かけていたという。
「話しても言うことなんか聞かないし……」と一筋縄ではいかない思春期の子の扱いは難しい。

あるママは、大学を卒業するバイト先の先輩たちの送別会に参加した息子の話を聞いて肝を冷やした。先輩の中には、卒業旅行でアメリカ行ってきた者も含まれていたという。入国審査でコロナチェックが実施される前にスルーされた人たちだ。効果はあまり期待できないかもしれないが、息子とは家の中でも「少し距離を置くようにしている」そうだ。

京都府では西脇隆俊知事が30日に緊急会見し、こう呼びかけた。
「非常に危惧すべきだ。学生のみなさんは卒業、入学、就職の節目で集まる機会が多いと思うが、感染拡大を防ぐという思いで慎重に行動してほしい」
これは、その日までに京都産業大学で16人もの感染者が見つかり、クラスター(小規模な感染集団)が発生したとみられているからだ。

京都産業大学の学生は3月2日から13日まで海外旅行をしていた。小池都知事は25日の会見で、海外から帰国した人に2週間外出自粛することも「要請」はしたが……。写真は3月16日のもの。留学など、海外に出ていた事情はそれぞれあるはずで、むしろ検疫チェックをきちんとしてほしいと望む帰国者は多い Photo by Getty Images