日本企業で出世する人たち、じつは「超低学歴」ばかりになっていた…!

世界に「逆行」するおかしな人事が横行
小野 一起, 冨山 和彦 プロフィール

日本のリーダーが「おかしな」理由

小野 日本企業にとって「社外取締役の導入」や「指名委員会の設置」が進むことは重要な動きですが、ここからはきちんと定着することが大切になってくるのだと思います。その点、せっかく仕組みを取り入れたにもかかわらず、きちんと機能していない企業も多いようです。

よくよく聞いてみると、社外取締役がみなさん社長の「お友達」みたいなケースがありますよね。形式は整っているけど、魂が入っていない。導入した企業の中にはそういう企業が多い印象があります。

冨山 最初は仕方がないでしょうね。まずは形式を先行させて、実質を整えていく。長い目で見れば実質が変わった会社だけが生き残り、実質が変わらない会社は消えていくということでしょう。

そもそもリーダーシップが必要というのは、いまや大半の経営者が口にしています。しかし、本質的に問題となるのはリーダーシップの中身であり、リーダーの在りようでしょう。古き良き日本のリーダー像ってありますよね。人望があって、みんなの気持ちがよくわかって、それで現場の状況を理解して……という良き上司像です。もちろんいまでもそうした上司像は否定されませんが、それだけで良いのか、ということが問われているわけです。

 

小野 日本企業のリーダーシップについて、ほかに冨山さんが問題だと思っていることはなんでしょうか。

冨山 日本の経営者がよく使う言葉に「現場主義」というのがありますが、これが本当の意味での現場主義でなく、「現場迎合主義」になっていることが多い。

たとえばある業界で破壊的イノベーションがやってくるとします。テレビを作っていればこれまで儲かっていたエレクトロニクス産業で、もはや新興国企業が台頭してきてテレビを組み立てていても儲からなくなるというようなケースです。その時に、テレビの製造現場の人たちに「テレビの組み立てを止めようか」と聞いたら、誰も「そうですね、止めましょう」とは言いませんよね。紙の新聞が売れないからと言って、「紙の新聞を止めるか」と言っても、紙の新聞を作っている人は誰も止めようとは言わないでしょう。こういう現場の声を重視する経営者は、現場主義とは言いません、単なる現場迎合主義です。

小野 苦しくても、現場の反対があっても、より収益の高いところに戦略的に事業をシフトしていく判断をするのが経営者。それができないのならば、会社は消滅へと向かいます。

冨山 そうです。しかし、日本企業にはそういう決断ができない経営者が多い。現場というのは、言い換えると競争の最前線です。最前線で何が起きているかをリアルに認識することが大事なのは当たり前です。それと現場の思いに引きずられて決断ができないことはまったく違う。

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