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「なめんじゃねえぞ!」ブラック弁護士事務所の知られざる「闇」

無罪が有罪に、賠償金を支払うことも…

「てめえ、なめんじゃねえぞ!」――。

こう怒鳴る声と同時に、ドーンと革靴で事務机を蹴る音が事務所内に響く。声を張り上げる年配の男は、仕立てのいいスーツ姿、だが、すこしくたびれている。襟には大き目の金バッジが光っている。もっともそのバッジはメッキが剥げ、パッと見、いぶし銀色に見える。それが彼のこの世界で生きてきた時間と来し方を物語っているかのようだった――。

まるで暴力団の組事務所を思わせるこの光景は、令和の現代、それも東京都内の弁護士事務所での一コマである。声の主は、弁護士事務所の経営者弁護士、れっきとした法律家だ。

この弁護士という職業を、ある人は、「かつてこそ武士だったが、今はビジネスマンだ」と言い、ある人は、「社会が認め国家による裏付けがあるヤクザだ」と言う。

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武士にビジネスマン、そしてヤクザにしろ、怒鳴るには何がしかの理由がある。大抵は、仕事上でのミスか、あるいは自尊心を傷つけられたかだ。冒頭部で紹介した弁護士事務所の所長、ボス弁(経営者弁護士)が怒鳴った理由は後者だった。新人弁護士から、「そんな法律や判例はありませんよ」とたしなめられたことに端を発する。

高い倫理観を求められる弁護士事務所でも、ブラック弁護士事務所と呼ばれるそれでは、マネジメントサイドに立つボス弁やパートナー弁(共同経営者弁護士)が、新人弁護士や依頼者を煙に巻くため、あるいは自らを大きく見せるため、そもそも存在しない法律や判例を物知り顔で語ったり、見る人が見れば、あり得ない法律構成を述べたりすることは珍しくはないという。

 

そうした話は、ブラック弁護士事務所に勤務経験のある若手、中堅弁護士何人かから耳にする。今では、そんな話も弁護士界隈では、さほど驚くことのない話のようだ。