コロナ専門家会議が訴えた「人工呼吸器は誰につける?」という深刻問題

医療崩壊はいつ起きてもおかしくない
砂川 洋介 プロフィール

「限られた人工呼吸器」という問題

そもそもオーバーシュートとは、「爆発的な患者数の増加」を示すもの。具体的には「2~3日で累積患者数が倍増し、その傾向が継続して見られる場合」を指すという。

「東京都の場合、2.5日ごとに倍増しているが、これが一過性のものなのかを継続して注視する必要がある」(専門家会議)

〔photo〕gettyimages

そうした中で、医療現場はすでに限界直前まで追い込まれている。

いわゆる「クラスター潰し」のための調査をしている現場もかなり疲弊しており、このためにクラスターの発見が遅れるというケースもすでに起きているというのだ。

専門家会議はこの日、こうした医療崩壊への懸念を示しながら、日本人に対して「ひとつの覚悟」もまた求めて見せた。

 

具体的には「医療崩壊に備えた市民との認識共有」が必要だとして、以下のように語ったのだ。

「我が国は幸い、いまのところ諸外国のような医療崩壊は生じていないが、今後も最大の努力が必要。さまざまな将来の可能性を想定して、人工呼吸器など限られた医療資源の活用のあり方についても市民と認識の共有が必要だ」――。

諸外国ではすでに医療崩壊に近い現象が起きており、人口呼吸器などの医療機器不足が起きている。そうした中で、集中治療室に次々と患者が運び込まれてくる状況下で、どの患者から優先して治療をすべきか――という深刻な問題に直面しているのである。