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伝道師・江島健太郎「Quora」日本代表が目指す新しい“知の集積”

フェイクのない言論空間を作りたい

情報伝達や言論活動がインターネットによって大きく変わったのは言うまでもない。だが一方で、真実かどうか分からない情報や意図的な誤情報、いわゆる「フェイク・ニュース」がネット上に氾濫することになったのも事実だ。ネット上に嘘のない言論空間や正しい情報だけが流れる場はできないのか。

2010年に、知識共有プラットフォームを目指して米国でスタートしたSNSサービス「Quora」の日本代表でエバンジェリスト(伝道師)の肩書きを持つ江島健太郎さんに聞いた。

江島健太郎氏

SNSにまともな言論空間はほとんどない

 新型コロナウイルスの世界的な感染爆発によって、なかなか直接会っての情報交換が難しくなる中で、ネット上の情報が一段と大きな影響力を持つようになっています。

江島 SNSやソーシャルメディアの広がりで、ネット上に流れる情報量は大きく増えました。しかし、「言論空間」としてまともな存在になっているものは、まだほとんどないのではないでしょうか。

新聞など旧来のジャーナリズムは中立公正を重視し、両論併記を心がけるなど、言論が守るべきルールを保ってきました。ところが、SNSなどのネット上の場合、議論というよりも、自分に似た意見に同調し、「信念を強化」する場になっています。

 他人の意見を聞かなくなっている、と。

江島 ええ。自分の意見と同じ人をフォローしたり、つながったりする事で、自分に近い意見しか入ってこなくなります。自分と違う他人の意見はどんどん聞かなくなって、閉じこもっています。

 自分が気に食わないニュースについて「フェイク・ニュースだ」と攻撃するパターンですね。

 

江島 今、世界の政治情勢を見ていると、過激な指導者を一定の熱心な人たちが支持し、一方でまったく支持しない人との間には、大きな断絶が生じている。世界の分断と言われますが、これはSNSなどネット上の言論の広がりによって、こうした分断を生んでいるのではないかと考えています。

正しい情報を元に、知的な議論ができる場はできないか、と長年考えてきました。

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