新型コロナウイルス感染拡大が世界中に広がっている。そんな中、日本では現在「若者が海外旅行に行って感染している」「若者が繁華街に繰り出している」という意見と「高齢者が買占めしている」「高齢者が朝から行列を作ってる」という意見と、まるで断絶して責め合っている状況がありはしないだろうか。

確かに、今は「誰もが感染していてもおかしくない」状況で、自分がならないためだけではなく、「誰かを感染させないため」に外出自粛が必要な時期だ。それぞれが意識を持って気をつけなければならないけれど、責め立てて「若者はダメ」「高齢者はダメ」と言っていても、そこには意味のない世代間の断絶や憎しみしかなくなってしまう。

そんな中、スウェーデンに留学中の福田和子さんから、「一気に書きました」という原稿が送られてきた。そこにあるのは、高齢者が不安によって行列を作らなければならない環境を生まないような「支援の輪」だった。

高齢者に「自宅待機」を強く要請

ヨーロッパ各国でロックダウンも含む大きな規制が進む中、かなり異色の対応を続けている国がある。それは、スウェーデンだ。

スウェーデンでは、「少しでも体調が悪ければ自宅待機を」が基本方針で、目立った規制といえば50人以上の集まりの禁止と、カウンター席の禁止、高校以上の高等教育のオンライン移行程度。在宅勤務への移行も進んでいるが、もともと人も人出も少ない町ということもあり、毎日見る街の風景はさほど変わっていない。

スウェーデンの街中のレストランでは、より安全に食事を楽しめるよう、通常より早くテラスがオープンし始めた photo/Getty Images

しかし、そんな中でも在宅を強く要請されている人たちがいる。70歳以上の高齢者をはじめとした、ハイリスク群に当たる人びとだ。政府の要請によれば、高齢者は周りの助けも借り、必要な運動を除けば買い物も控えるように言われている。買い物も自粛とはかなり厳しいが、ウイルスから身を守るためには、それほど気を配る必要があるのが実情だ。

そして注目すべきは、その要請を受け、現在スウェーデンでは、高齢者をはじめとする自宅待機を要請されている人たちが孤立しないよう、国や自治体も連携しながら、市民らによる支援の輪が広がっているのだ。