2019年6月3日付けで発表された「高齢社会における資産形成・管理」(金融審議会ワーキンググループ)の中では、2017年の家計調査の結果を受けて「95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になる」と伝えていた。これによって「老後に2000万円必要なのか」と大騒ぎになったことを覚えている方も多いのではないだろうか。
ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんの著書『知識ゼロでも! 日本一わかりやすいお金の教科書』は、いまさら聞くことはできないかもと思う基本からお金の話をまとめた一冊だ。本書の発売を記念し、本書より「貧困女子」とはおさらばするための知識を短期集中連載でご紹介していく最終回は、本当に2000万円貯めないといけないのか、いったいどうしたらいいのか。不安を回避するための「未来のお金と年金」についてお伝えする。
第1回「年収500万円の手取りは394万円!お金リテラシーがないと貧困女子になる」はこちら
第2回「1200万円以上差がつくことも!知らないと損する『保険』の常識」はこちら
「誰もがいつかはひとり」
だからこそ知っておきたい
上記のマンガのように、現在の生活においてはとくに不自由はないものの、両親も高齢になってきていて、なんとなく貯金はしているけれど十分かどうかはわからず、ぼんやり不安を感じているけれど何もしていない……という人は多いのではないでしょうか。
結婚していてもしていなくても、子どもがいてもいなくても、平均寿命がより長い女性は「いつかひとり」になる可能性が高いのです。未来のお金についての知識を持っておくことで、将来の不安を少しでも取りのぞいてください。
「2000万円問題」とはなんだったのか
昨年話題になった「老後2000万円問題」。
数字だけがひとり歩きして、「老後に2000万円の貯蓄が必要と言われても」と多くの人を勘違いさせ、また暗い気持ちにさせました。改めて説明しますと、これはもちろん、「老後までに2000万円がないと生きていけない」ということではありません。
今の平均的な高齢世帯をモデルとして計算したとき、生活費のうち、年金で足りない分が毎月5万5000円。95歳まで生きるとしたら約2000万円が不足する、というあくまでもひとつの例なのです。2000万円という大きな数字に惑わされがちですが、誰もが同じ条件ではないので、金額だけにとらわれる必要はまったくありません。
そこで、まずは老後の暮らしのベースとなる年金について知っておきましょう。