NYクオモ州知事、トランプを圧倒…歴然たる「リーダーシップの差」

アメリカが差し掛かる「大きな分かれ道」
池田 純一 プロフィール

極めつけは、2月28日にサウスカロライナで開催した予備戦に向けたラリー(選挙集会)の場の発言で、コロナウイルスの脅威は、民主党がでっち上げたホラ(hoax)とまで語っていた。支持者向けのリップサービスであることを差し引いても、全く本気でとりあっていたようには見えなかった。

だが、そののらりくらりとやり過ごす対応をいよいよ取り下げざるを得なくなったのが、3月9日のNYSE(ニューヨーク証券取引所)での株価の急落だった。それ以後、コロナウイルスについては、いかにも当初からずっとこの対策に頭を悩ませていたかのように、態度を豹変させた。本当に先ほどのホテル経営者のようだったのだ。

〔PHOTO〕gettyimages

対処方法についても、まずは専任の指揮はペンス副大統領に任せます、と任命することで管理責任を果たしているように振る舞い、その上で、「これは戦争だ」と言って「戦時大統領」を名乗ってみせる。コロナウイルスを「中国ウイルス(Chinese virus)」と言ったのもこのころだ。そこから、「戦時下なのだから」という理由で、急遽、数兆ドル(最終的には2兆2000億ドル)の経済救済策が検討されることになる。まさに株価――この場合はアメリカ経済を象徴するダウ平均――の対策が重要で、なぜなら、このままコロナウイルスの対策を重視した挙げ句、不況に突入してしまったら、11月の再選は困難になってしまう。それでは、元の黙阿弥なのだ。

 

アメリカ経済が不況に突入することは、トランプにとって、再選の確率を著しく低めることを意味する。だから何が何でも経済を上げ潮状態にしたくてたまらない。それは、利益が出ず、配当も払えなくなった結果、株主に株を売り浴びせられて没落することを怖れる経営者の姿に近い。不況に突入することで、自分をアメリカのCEO=大統領に選出してくれた株主=有権者が、自分の下から去っていくのが怖いのだ。その場合、トランプ自身が「お前はクビだ(You’re fired.)」と宣告されることになる。まるで、これ以上休業していると倒産するしかないホテルを抱えている経営者のようだ。あるいは、これ以上興行を見送ると破産を免れないカジノ経営者といってもよい。

その恐れが招き入れたのが、冒頭の「イースター再開」発言といえる。それにしても、どれだけ、この災禍をショーマンシップで埋め尽くそうというのか。

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