NYクオモ州知事、トランプを圧倒…歴然たる「リーダーシップの差」

アメリカが差し掛かる「大きな分かれ道」
池田 純一 プロフィール

まるでホテル経営者のよう

問題のイースター再開発言は、いつもどおりトランプのツイートで示された。彼は3月23日のツイートで次のように記している。

「問題(=コロナウイルス)自体よりも対処法の方がより悪くなるなんてことはしない。15日後にはどちらを優先するか、はっきりさせる(WE CANNOT LET THE CURE BE WORSE THAN THE PROBLEM ITSELF. AT THE END OF THE 15 DAY PERIOD, WE WILL MAKE A DECISION AS TO WHICH WAY WE WANT TO GO!)」

すべて大文字で書かれているのは、気分としては「断固たる決意」を強調しているのだろう。その後のテレビ報道での質問でも、繰り返し、イースターには再開すると表明していた。

もっとも、なぜイースターなのか?といえば、その日が復活祭だから、という理由ぐらいしかあがらない。実際、レポーターたちの質問に対して「復活(resurrection)」を祝う日だからとトランプは答えていた。その方が、経済の復活譚としてもっともらしくみえるから、という理由だ。

まるで周辺の諸事情でやむなく閉店を余儀なくされていたデパートが、改めて開店フェアをするのならイースターが望ましい、というような口ぶりだった。いかにも、すべての政治をリアリティショーのナラティブに落としたがるトランプらしい言い方だ。「復活」は、彼がホスト役を務めるホワイトハウスを舞台にしたリアリティショーのキャッチフレーズだった。

実際、コロナウイルスへのトランプの対処は、一事が万事、ホテル経営者のようなものだった。コロナウイルスへの対応も、所有しているホテルで、疫病が発生した時の対応のようだった。

具体的にはこんなイメージだ。最初に、宿泊客の中から感染者が一人出る。その時点では、いや大丈夫、当ホテルは万全の対応をしていますから、と答えてその場をやり過ごすのだが、内心では、いやおおごとにしたらこの先のバンケットの予定もキャンセルしないといけないからな、などと考えていたに違いない。だが、衛生上の管理責任を嗅ぎつけたローカル紙の記者に問い詰められると、いや、大丈夫、季節が変わればなんとかなりますから、とのらりくらりと答えながら、まぁ事なきですめばいいな、と願っていた。それがある日、専門家の厳しいコメントも含めて報道され、一気に株価が急落し、突如として株主からも責任の追及が始まってしまう。だが、それに対しても、まずは危機管理対応の執行役員を任命して、自分は「ちゃんと管理していますから」と応える。だから最後に一言、自分が「最終責任者です」と強調するのを忘れない……。

 

実際、1月21日にワシントン州でアメリカ国内初の感染者が現れてからのトランプの対応は、終始、このような感じだった。当初は、記者の質問にも、平気、平気、対策は万全だ、と軽くあしらっていた。2月中も楽観的な発言ばかりで、春になって温かくなれば大丈夫などと、後にWHOの専門家に否定されることになる根拠のない見通しを語っていた。

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