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新型コロナ危機で「妖怪」が話題…幕末の怪談が教えてくれること

迷信だからと笑うことはできない

新型コロナと妖怪

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい、恐怖と不安はいよいよ増すばかりである。

そんな状況の中、多少なりとも明るい話題を振りまいたのがSNSで流行した「アマビエ・チャレンジ」。疫病退散を願って、皆が「アマビエ」という妖怪の絵をイラスト化するというムーブメントだ。その続編(?)として、3月20日以降は似たタイプの妖怪である「クタベ」を描く流れも起きている。

こうした予言獣と呼ばれる妖怪の多くは、疫病を予言するのみならず、「自分の姿を絵に描けば疫病を逃れられる」と、その防災も期待させてくれる。だからこそ現在のような状況下で人気を博している訳だ。

アマビエが描かれた瓦版(弘化3年4月中旬、 京都大学附属図書館所蔵)

海外から侵入した怪異や妖怪

これとは逆に、疫病を蔓延させようとする嫌な妖怪もまた存在する。彼らが登場したのは、幕末から明治にかけて。日本がかつてないほどの急激な変化を迫られた時代である。

怪談・オカルト的な観点から言っても、この時、海外から新しい怪異や妖怪が次々と侵入してきたのだった。例えば「狐狗狸(コクリ)」もその一つ。

 

妖怪博士・井上円了によれば、1884年に下田沖に漂着したアメリカ船によって、欧米で流行していたテーブル・ターニング(ウィジャ・ボード)が伝えられた。そこからわずか1、2年で日本全国に広まり、「狐狗狸」の名で定着していく(※1)。

この異文化が90年後の1970年代オカルトブームにおいて、再び「コックリさん」として大流行する訳である。