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コロナ危機で「働く人を全員守る」デンマークと日本の驚くべき大違い

非正規も正規も関係ない
竹信 三恵子 プロフィール

一斉休校という「追い打ち」

これに、追い打ちをかけたのが、首相による「一斉休校要請」だ。

突然の「要請」に困惑する親たちに、子どもの世話で休む場合は非正規も含め休業補償を出すとの対策が打ち出されたが、現場に徹底しておらず、次のような相談が女性たちから相次いでいる。

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「子どもが 2 人いるが、会社からパートは補償の対象ではないと言われた」「臨時職員は休むと無給になると言われた」「保育園でパートとして勤務しているが、小学校の子どもを 2 人抱えているため仕事を休んでいる。年次有給休暇を 8 日間取得するが、あとは無給で休むしかないのか」。

ほかにも、「公立中学校で非常勤嘱託職員として働いている。休校の関係で欠勤するように言われた。年次有給休暇もないので今後の生活に不安」「(休校に伴う)制度はいろいろあっても公務非常勤の身では利用できない」……。

シングルマザーからは「パートには休校に伴う休業補償はないと言われたが、同居の母が入院し、父は以前から病気。両親は高齢で感染リスクが高く、3月いっぱいは有給で休みたいといったが回答がなかった」といった相談も寄せられ、高齢者ケアへの配慮の欠如も浮かんだ。

東部労組のまとめでは、相談者の6割が女性だ。女性の半数以上は非正規で、休業による貧困が直撃しつつあり、そこに家族のケアの過重が加わるという複合負担が生まれたことになる。

 

しかも、女性の就労が多い「接待を伴う飲食業」や「風俗業」の関係者が、「暴力団員」などと並んで一斉休校に伴う補償の対象外とされていることも判明し、ここでも、職業差別との批判が高まっている。

このように、政府の価値判断で恣意的に支援対象を選別する手法では、発症しても休んでいられない働き手が多数生まれかねず、「感染対策」がダダ漏れになりかねないどころか、ただでさえ弱い立場の働き手の貧困を一段と促進することになる。

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