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観光客が消えた京都で「それでもホテル建設ラッシュが続く」ワケ

供給過剰問題が浮き彫りに

HIS赤字転落の衝撃

大手旅行会社「エイチ・アイ・エス(HIS)」が、2020年10月期通期の連結最終損益について11億円の赤字になる見通しと発表したのが2020年3月2日のことだ。

新型コロナウイルスの影響というが、前期は122億円の黒字だったので、まさに一気に赤字へ転落することになる。同社の最終赤字は上場した2002年以来初めてのことであり、やはり世界的に猛威を振るう感染症の影響は相当であることを示唆している。

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思い起こせば、インバウンド活況の兆候が出てきたのは7~8年前だっただろうか。訪日外国人旅行者数が1000万人を超えたのは2013年であったが、その後の激増ぶりは観光業界を一気に活気づけた。

2016年に2000万人、2018年末には3000万人を数え、2020年の東京オリンピックをひとつのメルクマールと捉えた旅に携わる事業者が、一丸となってただひたすらに邁進していく様には、観光業界の明るい未来が確約されているかのようであった。

 

実際、新規開業、リニューアル・リブランド、斬新な宿泊プランなどホテルから出されるリリースは実にバラエティに富んでおり、活況と共に差別化への取り組みも目立った。とにかくこの間に多様なホテルが誕生することになった。

日々ホテルへチェックインするのは筆者の仕事でもあるが、「ホテル不足」を初めて実感したのが2014年の春頃。筆者は2014年の元旦から大晦日まで、1日5000円の予算で異なるホテルへチェックインし続けるという個人的なミッションを遂行した。1日5000円という予算は当時の“ビジネスホテル実勢料金からこのくらいあれば大丈夫だろう”という楽観的予測に基づくものだった。