〔PHOTO〕gettyimages

コロナ禍が招く「全世界的雇用危機」に日本はどう向き合うべきか

私たちの「仕事の未来」を考える
新型コロナウイルスのパンデミックに伴い、アマゾンやマイクロソフトなど巨大IT企業は「焼け太り」とも呼ぶべきビジネスの活況を見せているという。コロナ禍による世界的な景気後退と雇用不安が危惧される中、この先訪れる「仕事自動化時代」は、本当に私たちを「幸せ」にするのだろうか?

空前のAIブームから5年余りが経過した今、実際のAIあるいは自動運転車、次世代ロボットはどんなフェーズにあるのかを検証した新著『仕事の未来 「ジョブオートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実』(講談社現代新書・4月15日発売)より、前書きを抜粋掲載する。

新型コロナウイルスの影響で、世界的な雇用危機が到来しつつあります。

米国では失業保険の申請件数が、今年3月下旬に328万3000件と過去最多を記録。ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によれば、このまま急激な景気後退と雇用環境の悪化が続けば、米国の失業率は1982年の10.8パーセントという戦後最悪の記録を塗り替えるという見方も出てきました。

こうした悲観的な見通しは勿論、米国だけに止まりせん。

ILO(国際労働機関)雇用政策局のリー・サンギョン局長は英ロイター通信に対し、「新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界で失われる雇用が2500万人を大幅に超える可能性がある」と語りました。

因みにリーマンショックなどによる2008~09年の金融恐慌時には、世界で約2200万人の雇用が失われたといいます。

〔PHOTO〕gettyimages

コロナ禍で焼け太るGAFA

そうした中で、Eコマースの巨人アマゾンは例外的な動きに出ました。急遽、配送センターの従業員として10万人を新規採用すると発表したのです。これはウイルス感染を恐れて外出を控えるようになった顧客からの注文が殺到し、対応する人手が足りなくなったためです。

同社を筆頭にマイクロソフトやグーグルなど米国の巨大IT企業は、コロナウイルスの禍中で「焼け太り」とも言うべき強さを見せつけています。世界中の企業が従業員の就労体制を「テレワーク(在宅勤務)」へとシフトさせたため、これらIT企業が提供するクラウド・システムの需要が急拡大しているのです。

マイクロソフトのテレワーク用ツール「チームズ」の1日当たりの利用者数は、3月中旬の1週間で37パーセントも増加し、4400万人以上に達しました。このツールを使って、世界中の企業で1日に9億回以上のビデオ会議などが実施されています。また、これと競合する「スラック」と呼ばれるツールの同時接続ユーザー数も、2週間で250万人増加して1250万人になりました。

 

マイクロソフトのコーポレート担当副社長ジャレッド・スパタロウ氏は「この突然の、そして世界的なテレワークへの移行は、私達の働き方や学び方が変わる転換点になるだろう」と語っています。つまり一過性ではなく、永続的なトレンドと見ているのです。

コロナウイルスの感染は遅かれ早かれ収束します。その暗いトンネルを抜けたとき、私達を取り巻く世界、特に職場を巡る環境は一変しているでしょう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら