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トヨタの鈍いコロナ対策が示す「リーダー不在」という日本の大問題

リーマンショックでは政治を動かしたが

「即効薬」にはならない

トヨタ自動車は、直接取引している部品メーカーなど仕入れ先(サプライヤー)への今年4月以降の値引き交渉をいったん中止する。

トヨタでは毎年2回、部品の仕入れ価格を見直し、1%未満で値下げ要求をしていた。しかし、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受けて、サプライヤーの仕事も減っており、それに配慮した形だ。7月以降に再交渉する計画という。

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値下げのいったん見送りは、トヨタと直接取引する、いわゆる一次下請けが対象。ある一次下請け部品メーカーの関係者は「値下げ要求を見送る代わりに、我々一次下請けに対して、『二次下請けに無理な値引き要請をしないように』との意味が含まれている」と説明する。

 

自動車産業の下請け構造は、一次、二次、三次……と階層的に連なっており、すそ野が広い。一次下請けにはデンソーやアイシン精機など上場大企業が多いが、階層が下がっていくほど中小企業が増え、経営体力が弱いところも多い。

サプライチェーン(供給網)の頂点に立つトヨタが値引き要請をいったん中止することで、値引き要請の「連鎖」を止め、弱小の下請け企業の経営に配慮する狙いがあると見られる。

ただ、こうしたトヨタの「配慮」が、三次や四次などの下位層の下請けに「即効薬」として効くわけではない。

新型コロナウイルスの影響により、トヨタは北米にある14工場の生産再開を当初計画の4月6日から同20日に先延ばしするほか、国内主力工場の一部も4月半ばまで稼働を停止させる。欧州でも稼働停止に追い込まれており、世界規模で大減産を強いられている。

当然、こうした大減産は下請け企業の仕事量減少にもつながる。特にこれから大変なのが資金繰りだ。トヨタの下請けの中には海外進出しているところが多く、現地で従業員を採用している。経営体力の弱い中小企業が現地で資金繰り対応できるかが、今後大きな課題として浮上するだろう。

 
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