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「コロナ戦争」の後にいよいよ始まる「本物の米中戦争」

トランプは「戦時」であると述べた

武漢肺炎の脅威は「有事」だ

トランプ氏は、3月18日の記者会見で、「自分は戦時の大統領だと思っている。戦争には打ち勝たなければならない」と「戦時」を強調した。また、朝鮮戦争時の1950年に成立した「国防生産法」発動してまで、マスクなどの増産をメーカーに要求した。

トランプ大統領だけではない。フランスのマクロン大統領は3月16日にテレビ演説し、17日から全土で外出制限を実施すると発表したが、その演説の中で、我々は(ウイルスとの)戦争状態にある」と何度も強調した。

また、ドイツのメルケル首相は、3月18日のテレビ演説の中で「第2次大戦以来の試練だ」として、国民に団結と協力を呼びかけた。

私が物心ついてから半世紀が過ぎるが、このような言葉が各国首脳から次々に跳びだす事態は記憶がない。

キューバ危機は1962年10月に起こり、生まれて間もない私は全く記憶が無いが、世界中が米ソの対立による核戦争の恐怖におびえた。その後1989年のベルリンの壁崩壊に至るまで、冷戦時代には米国を中心とした国々で政府施設用の巨大な核シェルターが建設された。

もちろん当時は最高機密であったが、現在では上下院の議会がまるごと(1100名収容)開催可能であったウェストバージニア州の豪華リゾートホテルの地下にある施設などが公開されている。

エアフォースワンは、有事の指揮権を持つ大統領を守るためのものだが、エアフォースワンという機体が存在するわけではない。簡単に言えば、大統領が核ミサイルボタン(黒く大きなカバンに入っている)を持参する担当者と一緒に搭乗する飛行機が自動的にエアフォースワン(コールサイン)と呼ばれるのである。ちなみにヘリコプターの場合は「マリーン・ワン」という名前がつく。

今から考えれば、ハリウッド映画さながらの危機を想定した対策は少し過剰なような気がするが、冷戦当時の世界中(日本は平和であったが……)の人々の危機感はそのような状態に高まっていたのである。

特にEU諸国については3月31日公開の「新型コロナ危機が『EU崩壊』を引き起こしかねないワケ」で述べたような武漢肺炎以外の問題が重くのしかかっているし、3月26日の記事「『火星人襲来』パニックと武漢肺炎、人々の漠然とした不安の原因は?」で述べた様に過剰な心配はパニックを引き起こすだけなのは事実だ。

 

さらに幸いなことに、安倍首相は今のところ「有事(戦争)」とは発言していないし、まだ気は抜けないが、諸外国に比べれば武漢肺炎の流行はかなり抑え込まれている。

しかし、たとえ日本が早期にウイルスの危機から脱出したとしても、世界を襲う未曽有の危機と無縁でいることができるとは考えられない。