新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、安倍政権はいつ、ロックダウン(首都封鎖)を打ち出すのだろうか。
近日中のロックダウンについて、菅義偉官房長官は3月30日の記者会見で「そうした事実はない。明確に否定しておく」と言い放った。しかし筆者は、本稿のアップ予定日(3月31日)夜にも発表する可能性が高いと睨んでいる。
東京都で連日、新たに見つかる感染者数が過去最高を更新するなど、すでにオーバーシュート(爆発的な感染)が始まっており、もはや猶予がないことは、安倍政権も百も承知のはずである。
しかし、3月後半の世界的な株安と金融市場の混乱で日本の金融機関や企業は大きなダメージを負っている。
今日が決算期末のところの多くは、これ以上の動揺が起きれば、企業としての存続が危ぶまれる。それゆえ、安倍政権としても、日銀にETF(上場投資信託)による株式購入やドル資金の供給などで市場の安定化を図らせる一方で、その成功を祈るような思いで見守っているというのが実際のところだろう。
米ジョンズ・ホプキンス大学が集計したところ、日本時間の3月29日午後9時過ぎの段階で、全世界の新型コロナウイルス感染者数は67万9977人。2月末の8倍近くに急増した。死者数は3万1734人と増加の一途を辿っている。その一方で、まだ治癒した人は14万5625人にとどまっている。
国別でみて目立つのは、感染者数が12万4686人と断トツの最悪に躍り出た米国だ。イタリアが9万人、中国が8万人、スペインが7万人、ドイツが5万人をそれぞれ超えて2位から5位となっている。発祥地とされる中国の新規感染者が極端に減る一方で、欧米のオーバーシュートが目立っている。