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コロナ危機の背後で進む「右派ポピュリズム」拡大という現実

これは欧州の民主主義を揺るがす試練だ

ヨーロッパを襲うコロナ危機

欧州はコロナ危機で大揺れだ。

3月30日の時点で欧州の新型コロナウイルスの感染者数は39万3285人、死者数は2万3966人を記録している(WHO発表)。

アンゲラ・メルケル首相は3月12日に「ドイツ市民の60~70%が遅かれ早かれウイルスに感染する可能性がある」という悲観的な見方を打ち出した。

EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は3月13日に、迫り来るコロナ不況を「欧州が第二次世界大戦後に経験する最も深刻な経済危機の一つ」と呼んだ。

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コロナ危機は市民の生命と健康だけではなく、欧州経済を氷河期に追い込みつつある。サプライチェーンの寸断、受注額と国内消費の減退、国境封鎖やイベントの中止などによって、不況の暗雲が欧州人たちの頭上を覆いつつあるのだ。

ポピュリスト勢力が拡大中

だが欧州はもう一つの病原体に汚染されつつある。新型コロナウイルス同様に封じ込めが困難な、右派ポピュリズムというウイルスだ。

現在はコロナ危機に関するニュースの陰に隠れているが、右派ポピュリスト勢力の拡大は、欧州の民主主義体制を揺るがす重大な試練である。たとえば今年1月31日に、英国が欧州連合(EU)を離脱したのは、その表れである。