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大蔵省の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」いまだからウラ話を明かそう!

銀行はあれから「安泰」ではなくなった
小野 一起, 高橋 洋一 プロフィール

ノーパンしゃぶしゃぶ事件の舞台裏

小野 ノーパンしゃぶしゃぶ事件と呼ばれた大蔵省を舞台とする接待事件が明るみに出たのは1998年です。東京地検特捜部に大蔵官僚らが逮捕され、当日の三塚博大蔵大臣や松下康雄日銀総裁が引責辞任する展開になりました。ここで、銀行と大蔵省の癒着構造が暴かれることになったわけです。

これがきっかけで、大蔵省から銀行と証券の関連業務が分離され、金融監督庁(現金融庁)ができ、大蔵省は財務省になりました。大きな転換点でしたね。

〔photo〕gettyimages

高橋 ノーパンしゃぶしゃぶ事件は、ある意味で傑作でした。大蔵省の内部調査で、銀行や証券会社と遊びまくっていた官僚の実態が明るみにでた。私は、接待にはあまり行かなかった方なんですよ。でも、その内部調査が本格的に始まると、いろんな先輩から電話がかかってきた。『高橋くん、何月何日だけど、俺たち、接待されたりしていないよね』って。

そういう確認の電話があった。でも、私からすれば行っただろ〜って(笑)。要は、内部調査に対して、接待されたって言わないでくれってことでしょう。おかしくなっちゃいましたよ。そもそも年中、接待されていた人が、まったく接待されていないっていうウソは無理があります。私が黙っていても、接待漬けにされていた人は内部調査でバレてしまいましたね。

小野 そう言えば証券局総務課の課長補佐の人も逮捕されました。彼は先生の……。

高橋 そうです。彼は私の後任です。

 

さすがに後任が逮捕されたのはびっくりしました。結局、私と何が違っていたかは興味がありましたね。なぜ、彼が逮捕されて、私はセーフだったのか。どこまで、やったら東京地検に逮捕されるのか。ちなみに彼は独身だった。だから、土日はずっとゴルフの接待を受けていた。その見返りに証券会社に様々な便宜を図ったってことになり収賂罪が成立しちゃった。

私はすでに結婚していました。そんなこともあって、接待の数が全然違うということだったらしい。でも独身だったら同じように接待漬けになっていた可能性もあった。そう考えると人生は、恐ろしいです。