# 食糧

コロナ自粛でわかった「過剰消費大国・ニッポン」の不都合な真実

エシカル消費では経済はもたない…
小島 健輔 プロフィール

温暖化より寒冷化のほうが恐ろしい…?

『化石燃料由来の温室効果ガスで地球の温暖化が進み環境が脅かされている』というキャンペーンは、近年の異常気象も加わってほとんど脅迫的な域に達しているが、『文明活動が生み出す温室効果ガスがなければ間近に迫る氷河期入りを止められない』という不都合な真実(?)を無視した危険思想という見方もある。

〔photo〕gettyimages

確かに1970年代以降、とりわけ今世紀に入っての温暖化は急ピッチで、我が国の西日本や中部の太平洋側は亜熱帯化し、100年で3度近くも年間平均気温が上昇している。しかし温暖化したのはこの50年間で、40〜60年代は寒冷化が危ぶまれていたし、17〜19世紀前半の小氷期には世界中が飢饉に見舞われて数千万人の餓死者を出し、農業が破綻して農民が都市労働者化し産業革命の契機となった。

さらに時間の物差しを伸ばせば、過去6000年間の寒冷化をこの100年で帳消しにしたという見方もできる。

 

地質学的レンジで見れば、最終氷河期のピークは2万2000〜2万3000年前で今日より年間平均気温は7度ほど低く、北日本の山岳部と北海道は永久凍土に覆われ、海面は120メーターも低かった。

1万7000年前頃から暖かくなり始めたが幾度か寒冷に戻る時期を繰り返し、1万1600年前に急速に温暖化して(1〜3年で7度)8000年前に温暖化のピークを迎え、6000年前から寒冷化に転じている。

日本でも縄文期は今以上に温暖で(年間平均気温で2度ほど高かった)、海水面も地域によって今日より10メートル前後も高く、関東では大宮台地まで海岸線が迫っていた。

2万3000年サイクルのミランコビッチ理論(地軸の歳差運動と公転軌道運動)から見ても、太陽黒点活動から見ても、とっくに次の氷河期に入ってもおかしくないが、それを食い止めているのが人類の文明活動が生み出す温室効果ガスだと様々な分野の学者が指摘している。それも産業革命以降ではなく、CO2濃度は人類が焼畑農耕を始めた8000年前から、メタン濃度は水稲耕作が始まった5000年前から顕著に増加している(中川毅「人類と気候の10万年史」)。