在日米軍にコロナ感染者続出、日本は何も教えてもらえない「異常事態」

米軍基地という「聖域」の大きなリスク
半田 滋 プロフィール

検疫もなし…まるで占領国

いちいち米軍との間で協力を約束しなければならないのは、日米安全保障条約にもとづき、日本側には米軍に対する基地提供義務があり、米軍には日米地位協定にもとづいて様々な特権が与えられているからだ。

米軍は、日本政府に対してはもとより、基地所在の自治体にも基地内の情報を明らかにする必要はない。日本が「占領国状態」と呼ばれる所以である。

日米地位協定第9条2項には「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」とあり、米兵は日本への入国に関わる一切の手続きを免除されている。当然ながら検疫もなく、感染症を患った米兵を日本側がチェックする術はない。

 

入国審査を受ける必要がないのだから、日本政府は在日米軍の正確な兵員数も知りようがない。沖縄県の場合、米国防総省のデータを引用して、2018年3月現在の在日米軍の兵員を5万5026人と発表する一方、沖縄所在の兵員は2011年6月現在で2万5843人としている。

在日米軍の兵員と時点が異なるのは、沖縄県の問い合わせに対し、在沖米軍トップの四軍調整官が最後に回答したのが2011年6月だったからだ。これ以降、在沖米軍は沖縄県の問い合わせに答えていない。

つまり日本側は在日米軍の兵員数でさえ、「米軍の好意」がなければ、知ることができないのだ。その一方で日本政府は在日米軍に対し、年間5800億円という世界最高額の米軍関係経費を負担している。