今の東京の風景を見て、
約2週間前のボストンを思い出す

3月25日、小池東京都知事は会見で、新型コロナウィルス感染拡大が認められた場合は首都の封鎖もあり得ると発言をした。それを聞いて不安な気持ちを抱えている人も多いに違いない。東京に暮らす友人から、開店前のスーパーの長い行列や、もぬけの殻になった食品コーナーの写真が送られてきた。それはとても既視感のある光景だった。なぜなら約2週間前、同じ光景をここボストン郊外の街でも見たからだ。

ここでは私の周りでこの2週間余りに起こった出来事をお知らせしたい。日本が同じ状況になるとは限らないし、そうならないことを祈るが、何かの参考になればいいと思う。

私たち家族(我が家には10歳と7歳の子供がいる)が暮らすアメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ市は、ボストン郊外にある人口約10万人の街だ。市内にはハーバード大学やMIT(マサチューセッツ州工科大学)など大学が多くあり、普段は学生で賑わっている。とはいえ、東京に比べれば人口密度はいたって低い、静かでのんびりとした街だ。

人気のないハーバード大学構内でフリスビーをする子供たち。フリスビーは子供でも「ソーシャル・ディスタンス」が保てる遊びだ 撮影/榎本明日香

それが3月10日、ハーバード・ビジネススクールに通う友人から「ハーバードの寮に住んでいる学生たちが追い出されることになった」という話を聞いた。「土曜日までの5日間で出なくちゃならないんだ」。春休み明けの23日からは、オンライン授業に移行するので、学生たちはキャンパスに戻って来ないように、との要請があったという。実際に、大きな荷物を抱えた学生たちをちらほらみかけた。ハーバード大学は海外からの留学生がとても多い。彼らはどこに行くのだろうと胸が痛んだ。

まずは2週間の学校閉鎖
それが3週間に延期された

そして3月12日、マサチューセッツ州の発表により、子供たちが通う公立学校の休校が決まった。はじめは、2週間だけ閉鎖の予定だった。その時は、まだまだ呑気だったと思う。2週間の休みが終わったら、普通の生活に戻れると思っていた。

しかし、自体は少しずつ深刻になっていった。週末にスーパーマーケットに行ったら、ものすごい混雑で、棚が空っぽだった。その時は、パンも米も牛乳も手の消毒液もマスクも買えなかった(数日で食料品の棚はほぼ復活した)。3日後の3月15日には、学校閉鎖が2週間から3週間に延長された。

3月14日、もぬけの殻となったドラッグストアの棚。「手の消毒液とフェイスマスクと手袋は現在売り切れです」と張り紙が。これらは3月末日時点でもほとんど手に入らない 撮影/榎本明日香