4月 2日 イタリアの物理学者、グリマルディ誕生(1618年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1618年の今日、イタリアの物理学者・天文学者であるフランチェスコ・グリマルディ(Francesco Maria Grimaldi、1618-1663)が誕生しました。

フランチェスコ・マリア・グリマルディ Photo by Public Domain

彼の最大の業績は、光の回折現象の発見にあります。しかし、生前の彼は、それよりもむしろ天文学の分野、特に月面の研究で知られていました。

 

イタリア北部の都市、ボローニャ(Bologna)に生まれた彼は、地元の学校で数学を教えるかたわら、ヨーロッパで最も歴史ある大学・ボローニャ大学で天文学や物理学を学びます。彼に天文学を教えたのは、同じくイタリア出身のジョバンニ・リッチョーリ(Giovanni Battista Riccioli、1598-1671)でした。

当時の天文学では、2世紀のギリシャの天文学者プトレマイオス(Ptolemaios)の大著『アルマゲスト(Almagest)』に基づく考えが支配的でした。しかしリッチョーリはその風潮に批判的であり、新たな天文学の体系を確立するため多くの天体の観察を試みました。そして月面図の作成に取り掛かり、弟子のグリマルディに図のスケッチを依頼したのです。

グリマルディは師匠とともに、精密な月面図の作成や「静かの海」「晴れの海」といった地形や多くのクレーターの命名に取り組みました。その多くは月に関係が深い天文学者や哲学者にちなんだもので、現在もこれに似た命名法が用いられています。

リッチョーリとグリマルディが作成した月面図 Photo by Getty Images

グリマルディはその後、光の研究に打ち込みました。

当時、光は粒子のように実体のあるものなのか、それとも実体のない揺らぎのようなものなのかという論争が盛んになっていました。彼は後者を支持する立場で研究を進めていた1660年に、細い棒に光を当てると光が影になっている部分に回り込んで通過する現象を発見しました。すなわち、光の回折現象をはじめて確認したのです。

光の回折 Illustration by iStock

彼の発見は光の波動説を推し進める一因となったのですが、その研究は彼の生前に日の目を見ることはありませんでした。彼の光に関する研究成果をまとめた著書が出版されたのは、死後の1665年だったのです。

それでも、現在はその業績が大いに認められ、17世紀における最も偉大な光の研究者の一人として知られています。