3月30日 世界初のジエチルエーテル麻酔手術(1842年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1842年の今日、アメリカの医師クロウフォード・ロング(Crawford Williamson Long、1815-1878)が、世界で初めてジエチルエーテルを用いた麻酔手術を行いました。

 

ロングはアメリカ南部のジョージア州に生まれ、1839年にペンシルベニア大学を卒業して医師の資格を手にしました。医師としての修業を積む過程で、ロングはある日、イギリスの化学者ハンフリー・デービーの論文を目にします。

クロウフォード・ロングが描かれた2セント切手 Photo by Getty Images

その論文には、亜酸化窒素(N2O)のガスが麻酔に似た作用を持つと書かれており、デービー自身はこれを「笑気ガス」と命名していました。笑気ガスを用いた麻酔手術の試みは失敗していましたが、ロングは笑気ガスの持つ麻酔作用がジエチルエーテルにも含まれることを発見。1842年にジエチルエーテルを麻酔として用い、腫瘍の摘出手術を成功させたのです。

この手術の結果をまとめた論文はたちまち全米を駆け巡り、ロングの評価を大いに高めました。現在でもロングの名前は故郷の英雄として残っており、ワシントンD.C.にある国会議事堂の地下には、ジョージア州を代表する偉人の1人としてロングの像が飾られています。

国会議事堂地下にあるロングの像 Photo by USCapitol / Flickr