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『カラスの教科書』著者がハマった、どうぶつの「不思議な世界」

松原始さんの人生最高の10冊

図鑑を携え、野山で鳥を追いかけた

近所に7歳上のいとこが住んでいて、小さい頃からおさがりで本をたくさんもらっていました。母から「あんたは図鑑で字を覚えた」と言われたほど、図鑑が好きでした。

動物の図鑑に惹かれたのは、当時の図鑑によくあった、パノラマの絵の存在が大きかったです。たとえば日本の動物のページを開くと、やぶがあり、農家が見え、狐や蛇などたくさんの動物が描いてあります。

 

「こんなところにこんな動物がいるに違いない、よし見に行こう!」となるわけです。実際はそんな密度で生息しているわけもなく、探しても見つからないんですが(笑)。

旺文社学習図鑑 鳥』は子どもの頃から大学時代まで長く愛用していた本です。当時はハンディ版であまり良い図鑑がなかったので、この大きな図鑑を抱えて、双眼鏡を持ち、野山に出かけ、鳥を観察していました。

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小学校に上がった頃、自分からお願いして、初めて買ってもらった本が『ファーブル昆虫記』。愛読した偕成社版は、昆虫学者の古川晴男が訳・解説をしていて、最初に最終巻の6巻「せみ・くも・さそりの観察」から手に取りました。ファーブルの観察や研究の仕方がとにかく面白かった。

たとえば、なぜセミが鳴いているのかを解き明かそうとする時にファーブルは、大きな音なのにセミ自身が気にしないということは、セミは耳が悪いのではないかと考え、いろいろ試します。

村の楽団を呼んで演奏してもらうが、変化なし。音量が足りないのかと、大砲を借りてきてぶっ放してみますが、やはり変化はない。