専門家が大胆予想! NHK朝ドラ「エール」はきっとこう展開する

人物名から見える、NHKの調査の凄さ
辻田 真佐憲 プロフィール

金子の破天荒な兄は登場せず?

いっぽう、金子のほうはどうか。

金子は、愛知県豊橋市で馬糧商などを営む内山家に生まれた。芸術の道を志し、結婚後、声楽家として活躍したこともあったが、古関に比べれば知名度は低いといわざるをえない。

そのため、あまり資料も残っておらず、朝ドラ上でも周囲にオリジナルの登場人物が多いように見受けられる。有名どころでは、オペラ歌手の双浦環(柴咲コウ)が三浦環をモデルとしているくらいではないか。

家族構成についても、ドラマ向きに多少編集されている。実在の内山金子は、7人兄妹(1男6女)の三女だったが、朝ドラでは、3人姉妹の次女となっている。

名前についても、史実では、勝英、富子、清子、金子、松子、貞子、寿枝子だが、ドラマでは、吟(松井玲奈)、音、梅(森七菜)とやはりアレンジされている。

 

あくまでドラマなので別にいいのだが、長男の内山勝英が出てこないのはたいへん惜しまれる。

というのも、この勝英は、長男なのに家業を継がず、飛行学校に行ってパイロットの免許を取ったり、そうかと思えば、中国大陸にわたって事業を起こしたりするなど(一時、フォード自動車大連支店の副支配人も務めていた)、かなり破天荒な人物だったからだ。

男勝りで「女にしておくのは惜しい」と母にいわれた金子は、この兄に憧れていたといわれる。こんな傑物で、ゆかりも深い人物を登場させない手はないと思うのだが、現在のところ、人物相関図には載っていない。