専門家が大胆予想! NHK朝ドラ「エール」はきっとこう展開する

人物名から見える、NHKの調査の凄さ
辻田 真佐憲 プロフィール

その「福島トリオ」は、1940年に歴史的な大成功を収めた。野村が作詞し、古関が作曲し、伊藤が歌った、大ヒット軍歌「暁に祈る」がそれである。

これにまつわるエピソードはとても面白い。

はじめ、野村が歌詞を書いたのだが、担当する軍人がなんどもダメ出しをするので、7、8回も書き直さざるをえなかった。野村はこのとき思わず出た「ああ」というため息を冒頭にもってきたと、のちに冗談めかして回想している。

ああ あの顔で あの声で
手柄頼むと 妻や子が
ちぎれる程に 振つた旗
遠い雲間に また浮ぶ

ようやくOKが出た歌詞に、古関が作曲した。古関は仕事が早いのだが、このときは冒頭の「ああ」の曲付けに迷った。

そんなとき、自宅で金子が詩吟を唸る声が聞こえてきた。「これだ!」。こうして昭和歌謡史に燦然と輝く「暁に祈る」のメロディーは完成した。

 

古関は「軍歌の覇王」と一時宣伝されたほど、戦時下に軍歌を作っていたことで知られる。

今回朝ドラでどれくらい軍歌を扱うのかにも注目が集まっているが、さすがにこのエピソードは落とせないだろう。「福島トリオ」だけでなく、妻も関わっているのだから。

それでも落としたとすればーー、「NHKは軍歌から逃げた!」といわれても仕方あるまい。