専門家が大胆予想! NHK朝ドラ「エール」はきっとこう展開する

人物名から見える、NHKの調査の凄さ
辻田 真佐憲 プロフィール

ただ、物語の鍵となるのは、伯父の権藤茂兵衛(風間杜夫)だろう。これも実在の武藤茂平がモデルと考えられる。

武藤は、福島県有数の資産家で、貴族院議員も務めた名士だった。商業学校を出てもブラブラしている古関裕而を見かね、自身が経営する銀行の行員として雇い入れた。

古関はこの銀行員時代に、一念発起して、イギリスの作曲コンクールに応募して名をあげた。そしてその新聞記事がきっかけで、内山金子に出会い、ついには上京して、流行作曲家の道を突き進むことになった。

それゆえ、この伯父がドラマでも重要な役割を果たすと考えて間違いない。一般には知られていない人物だが、NHKは親族関係(じつは小学校の担任も)まで徹底的に調べ上げ、あえて似たような名前の人物を登場させているのである。

 

「暁に祈る」のエピソードは必出

ふたたび朝ドラの人物相関図を見ると、古関の幼馴染として佐藤久志(山崎育三郎)と村野鉄男(中村蒼)というふたりのキャラクターが用意されていることがわかる。

これはそれぞれ、歌手の伊藤久男と、作詞家の野村俊夫だろう。古関と含めた3人はみな福島県出身だったので、流行歌の世界では「福島トリオ」などと呼ばれた。

ただし、本当に幼馴染だったのは野村俊夫だけで、伊藤久男とは東京時代に知り合っている。ここはドラマならではの創作だろう。