インスタグラムに、ひたすらネコの「真顔」が並ぶシュールなアカウントがある。「ネコ顔プロジェクト2019」(@ nekokao2019)だ。

ぽん(メス・1歳5ヶ月)/@nekokao2019より
楽生(オス・8歳)/@nekokao2019より
蘭丸(オス・5歳)/@nekokao2019より
メイ(メス・3歳)/@nekokao2019より

同アカウントを運営する服部円さんは、クリエイターとその猫をテーマにした「ilove.cat」という人気ウェブマガジンの運営・編集者として知られている。でも、服部さんはこのアカウントでは別の顔をもつ。麻布大学 獣医学研究科 介在動物研究室に在籍する、“ネコの研究者”だ。

服部さんはネコの真顔写真を使って、いったい何を研究しようとしているのか。もともとパリコレの取材に行くようなファッション誌の編集者をしていたという彼女。謎に満ちた研究、そして経歴について聞いた。

飼い主の「いるネコ」と「いないネコ」で顔が違う!?

もも(メス・6ヶ月)/@nekokao2019より

大学でネコとヒトの関係にまつわる研究をしている服部さんがネコの真顔を集めるきっかけとなったのは、ある研究者の鋭い指摘だった。

ネコの顔をネットで検索すると、飼いネコとそうでないネコでぜんぜん違う顔をしているよね

ネコの研究者が集まる勉強会に参加していた、チンパンジーやボノボの研究で知られる京都大学の山本真也先生が投げかけた疑問に興味をもった。

「たしかに、飼いネコの写真は穏やかで可愛らしい表情をしているけれど、いわゆる野良ネコの写真はちょっとアウトレイジ感というか(笑)、恐い顔つきをしているものが多いな、と思いました。そこから、山本先生とネコ研究の第一人者である上智大学の齋藤慈子先生、そして私の3人で共同で、ネコの飼育環境の違いがネコの顔つきにどんな影響を及ぼすのか研究することなったんです」(服部さん、以下同)

もずく(オス・5歳)/@nekokao2019より