保育園や学校は?

「ダウン症だったら保育園が心配」と思う人も多いが、その点はどうだろう。
「認可保育園は私立か公立かで違ったり、自治体によっては障害児の受け入れ可能な保育園が少ないこともあります。でも、ダウン症だからというだけで保育園や学童保育に入れないということはありません。
健常児でも1歳での保育園入所は激戦区が多いですが、知的障害があると交付される『療育手帳』を所持しているとポイントが加点になるし、入所後、加配の先生の配置をお願いできる場合もあります」

松原さんは認可外保育園に5ヵ月入れてポイントを上げ、さらに療育手帳による加点にも助けられて佑哉君を1歳児枠へ入れることが出来た。

障害者手帳には、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神保健福祉手帳」の3種類があって、ダウン症の場合、知的障害があることがほとんどなので、療育手帳の対象となる。

佑哉君が所持する神奈川県の療育手帳を見せていただいた。裏表紙には顔写真があり、氏名や障害の等級などが記載されている 写真提供/松原未知

療育手帳は役所や病院から案内されるわけではなく、保護者自ら役所に赴いて取得します。抵抗感を感じて取れないご家族もいますが、幼少期から障害者手帳を所持していると保育園でも学校でも配慮を受けやすくなるんですよ。ただ、どうしても障害者手帳は取りたくない場合は主治医の診断書で『障害福祉サービスの受給者証』を取れば、『福祉サービス』の利用は可能です」

「福祉サービス」には、小学校入学に向けて自立や発達の訓練をおこなう「児童発達支援サービス」や学齢期に通う「放課後等児童デイサービス」がある。利用料の自己負担額は1割で、限度額は世帯収入で変わるが最高でも37,500円どまりだ。

「放課後等児童デイサービスはスポーツを中心に教えてくれるところ、芸術活動を支援してくれるところなど特色があって、健常児の子が行く塾や習い事のような存在ですね」

学校も公立の学校に行って大学進学もしない子がほとんどなので、健常児に較べると教育費があまりかからないという。

この頃は保育園に通っていた佑哉君。未知さんが講演を行ったダウン症会議の会場にて2017年撮影 撮影/河合蘭