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コロナ休校でわかった「2020年以降の教育に絶対必要なこと」

「ITは苦手」と発言する校長は罪深い
新型コロナウイルスの影響で、各地の学校が休校になった2020年3月。この経験から教育関係者は何を学び、4月からの現場でどう生かせばいいのか。

折しも「ブルーバックスアウトリーチ」で、通学しなくてもエクセルのスキルを身につけられる講座を提案した中央大学・岡嶋裕史教授が、「デジタル時代の教育イノベーション」を掲げるキャスタリアの代表取締役・山脇智志氏に緊急インタビューを敢行した。

またしても「想定外」という言い訳が…

岡嶋 コロナウイルスの流行が起きたことで、教育って意外と脆弱なインフラなんだってことが表面化したと思います。

従来型の「学び」では人が集まる必要があるので、こうした事態では停止せざるを得ない。集合教育にはこんなリスクもあるって、とてもわかりやすい形で示された。みんながそのことを再認識したはずなんです。

では、教育の質を担保するためにどうしたらいいんだ、ということで教育システムが試されている状況です。

遠隔やオンデマンドによる教育サービスの提供、特に公教育での提供に抵抗がある人も多かったですけれども、今回のことで意外とあっさり実行できてしまった。やればできるんですよね。

で、いまではもう一歩進んで、単にビデオをたれ流すような形ではなく、どうパッケージ化できるかということが問われていると思います。

私としては今回のことを奇貨として、オンラインでいい授業をして教育のデジタル化につなげていきたい。一過性の特別対応で終わらせたくないと考えています。

各国に教育システムを提供しているキャスタリアさんのお考えを聞かせていただけますか?

山脇 まず、2020年1月の段階で、この3月の状況を誰が想像できたんだろうと。

岡嶋さんももちろん御存じだと思いますが、『AKIRA』の世界に近づいているんですよね。作中で有名なシーンですが、2020年の東京オリンピック開催への看板に「中止だ、中止!」という落書きが書かれているというアレです。

京都大学の立て看にそれをそっくり模したものが現れたというので、私も見にいきたいんですが……。

全世界の誰が、30年以上前の漫画の世界が現実になるって思ったんだろう、と(実際は次年に延期)。ですが、私たちはそういうことを想定しなければいけないんです。

東日本大震災のときもそうでしたが、「想定外」という言葉ですべてを片付けてしまうのではいけません。私なんか「想定外って何だよ!」っていつも思うんですよ。

今回のコロナ騒動でも、リスクヘッジという概念が教育業界にあれば、少しは事態が変わっていたはずです。もちろん、学校だけではなくて私たちのような企業も、こうしたことへの責任は負うべきだと思いますが。

しかし、どうしても平常時というか当たり前の日常においては、非日常っていうものを考えないし、考えたくない。自分はこのまま平和の中で当たり前のように生きていきたい、と考える。

でも歴史を知れば、そんなことはできないということに気づくわけです。

地震と津波で1万5000人以上の方々が亡くなられた東日本大震災だって、わずか9年前の出来事です。それなのに、そこから私たちは教訓を得ていないし、畏れというものも消えてしまっている。

いまはテクノロジーが社会に、そして我々の日常に溢れ出している時代です。教育にさえそれが染みてきている段階であるのに、それをまだ傍観している。もっといえば、何も手を打てていない。この3月でそういう現実が明らかになったわけですね。

岡嶋さんがやっておられる大学の教育もそうだし、もちろん小・中・高だって同じような現状だと思います。企業であればテレワークやリモーワークのように、打つべき手があるんですよ。

だから教育だって、企業がやっているような試みにシフトしなければいけないと思います。