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最新「コロナ肺炎診療記」 医療現場では感染者にこう対応している

厚労省は拠点病院を減らせというが…
新型コロナウイルスに感染しているかもしれない人が、クリニックの一般外来にやってきた。もし本当に感染者だったら、かかわった医療スタッフはみな1~2週間の自宅待機をしなければいけない。これで医療現場は維持できるのだろうか――。

北海道・旭川で実際に感染者を診断した医師からの貴重な現場報告を、緊急配信する。

感染者、札幌から旭川へ

私は、旭川で1病院、4クリニックを経営する民間医療法人に勤める60代の内科医である。出身医局は呼吸器内科だったが、現在は、内科の一般外来と訪問診療、老人ホームの嘱託医の仕事がメインである。

2020年1月後半に中国で新型コロナウイルス(COVID-19)感染症がアウトブレイクした。

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2月初旬、さっぽろ雪まつりと旭川の旭山動物園への外国人観光客が激減。

2月20日、札幌市で40代の会社員男性COVID-19に感染のニュース。この男性は、19日に感染確認を発表した40代の男性とともに、同月12日まで、同市中央区のさっぽろ雪まつり会場で事務作業をしていたという。

2月21日、旭川から40キロ南の中富良野町で10歳未満と10代の男子児童の2人がCOVID-19に感染と報道。

そしてこの日、私は、クリニック外来で、発熱と咳を訴える30代の男性を診察した。この男性は札幌で業務した後、2月15日から症状が出たという。他院でインフルエンザ迅速検査キットで陰性の結果が出たため、抗生剤などを投与されていたが、熱が下がらなかったために来院したのだ。

胸部写真、肺CTでは肺炎の所見はなかった。だが札幌滞在歴があるため、COVID-19感染症の可能性を否定できず、保健所に連絡した。保健所からは、「海外渡航歴や感染者との接触歴がないため、一般診療で対応せよ」との返事があった。

しかし、患者さんは連日の発熱で衰弱傾向にあった。そこで入院治療の必要があると考え、市立旭川病院呼吸器科外来に診察を依頼した。

翌2月22日、クリニック外来に、数日前からの発熱と咳を訴える特に持病のない30代の男性が来院された。胸部写真で肺炎がみられた。彼にはさっぽろ雪まつり見物歴があったため、COVID-19感染を疑い、肺CTを撮った。

果たしてウイルス性肺炎の特徴である「スリガラス陰影」がみられた。すぐに保健所に、「病歴とCT所見から、COVID-19感染症が強く疑われる」と連絡し、まもなく市立旭川病院感染症病床入院許可となった。

スリガラススリガラス陰影がみられるCT画像の例 Photo by Mluisamtz11 / Public Domain

1人診断で数人の医療スタッフが1~2週間自宅待機

2月23日、保健所から連絡が入った。新型コロナウイルス検査の結果、21日の患者さんも22日の患者さんも陽性の診断がくだったという。

そのため、保健所は診断した私に対し、「2週間の自宅待機をせよ」と指示してきた。朝夕に熱を測り、体調を報告する必要がある、という。