新型コロナ、いまの日本は「2週間前のニューヨーク」かもしれない

感染者は2週間で212人→3万人超に
飯塚 真紀子 プロフィール

感染症の専門家も懸念していた

実際、感染症の専門家たちも深刻な懸念を表明していた。

「世界中から選手や観客が東京に集まり、そして、世界へと戻って行く。ウイルスを世界中に拡散させるのにこれほどいい方法はありません」(スタンフォード大学教授イヴォンヌ・マルドナード氏)

「スポーツのような多くの人が集まるイベントでは、ハシカからジカ熱に至るまで、疾病はとても簡単に広がるのです。海外からは感染している選手や観客が日本に入って来るかもしれないし、日本人の中にもすでに感染者がいますからね」(ネブラスカ大学公衆衛生学部部長のアリ・カーン博士)

こうした感染症の専門家と同じく、ボイコフ氏は五輪開催により、新型コロナ感染がいっそう拡大し、人命や健康が損なわれることに危機感を覚えていたのだ。

 

そもそも、「アスリート・ファースト」の姿勢を重視してきたボイコフ氏は、熱中症患者が多く出る7〜8月に東京オリンピックが開催されること自体も疑問視していた。氏は私の取材にこう語った。

「7〜8月の開催は、選手や観客の健康を配慮したものとはいえません。選手の健康は、東京の暑さの中で、危険に晒されてしまうでしょう。実際、私は、7月に2週間、東京に滞在したことがありますが、信じられない暑さでした。熱中症で亡くなる人もいた。そんな暑さにもかかわらず、7〜8月に開催される理由は、結局、莫大なカネが絡んでいるからです」

最終的に延期には至ったものの、ボイコフ氏はそんな莫大なカネが絡んだ五輪を、新型コロナという公衆衛生危機より優先させる判断をしてきた安倍政権の危機管理能力に疑問を感じている。