新型コロナ、いまの日本は「2週間前のニューヨーク」かもしれない

感染者は2週間で212人→3万人超に
飯塚 真紀子 プロフィール

しかし日本では、花見やいつもと変わらぬ街の様子からわかるように、(少なくとも3連休の段階では)この意識は、国民に行きわたっていないようだ。それはおそらく政府の姿勢が大きく関係しているだろう。少なくとも私が目にした限り、日本政府からは、アメリカのように危機意識を持った“注意喚起”、あるいは誠意と真摯さに満ちた“お叱り”、経済的な裏付けのある“実効的な政策的手当て”はない。

政府がまず危機意識を持って対策を講じ、国民を叱らない限り、お上まかせの他力本願な傾向が強い日本の人々に危機意識は芽生えないのは当然と言えるだろう。

その結果、どうなるか? いま世界で懸念されているのは、日本自体が「ウイルス培養列島」と化してしまうことだ。

 

安倍政権の「五輪への固執」の問題

安倍政権は、ダイヤモンド・プリンセス号を「ウイルス培養皿」にして世界のメディアからその危機管理能力が問われたが、いまだその体験から教訓を得ることなく、危機管理能力の欠如は白日の下に晒されている。

〔PHOTO〕Gettyimages

やっと延期が決まった東京五輪がその象徴的な例と言えるだろう。早い段階から、世界中で中止や延期を求める声があがっていたのは周知の通りだ。

オレゴン州のパシフィック大学政治学教授のジュールズ・ボイコフ氏もそんな声をあげた1人だ。ボイコフ氏は「オリンピック秘史 120年の覇権と利権」の著者であり、アメリカの様々なメディアで、精力的にオリンピック問題を斬っている。

ボイコフ氏は3月18日、米紙ニューヨーク・タイムズに「東京五輪を中止せよ」と題する論説文を寄稿して、東京五輪を開催すると頑なに主張し続けた安倍政権とIOCを批判した。

「東京五輪で、巨大で、危険なウイルス培養皿が生まれるかもしれない。世界の公衆衛生のために、東京五輪は中止すべきだ」

東京五輪は、ダイヤモンド・プリンセス号同様、“ウイルス培養皿”となってしまう危険性があると指摘したのだ。