ニュートンは休校時期を
「創造的休暇」と呼んだ

大学や塾のサテライト授業と異なり、授業中に子どもたちからチャットがバンバン入ります。普段の授業と同じように、質問したり、クイズをやったりします。教室でハイハイと挙手するのが苦手な子でも、チャットならどんどん自分の考えを書き込めたりします。どんどん答えが並んで、まるで大喜利のようです。講師と双方の関係なので、ネットを使ってコミュニケーションができます。

また、午前中の無料オンライン授業を受けた子どもたちが、「マイ探究」として自分で調べたことをまとめた模造紙や様々な実験を録画した動画をたくさん送ってくれました。

ある子は「日露戦争」をベースにボードゲームを開発し、兄弟で遊ぶ様子を伝えてくれました。自分たちが受けた授業をベースに、当時の様子や社会情勢などを織り交ぜてゲームを開発するというところに深い学びを感じました。また、実際の実験映像は失敗と成功の繰り返しでした。塩分濃度を利用して、2色の液体に分割する実験なのですが、試行錯誤する様子から、実験を通して得られる実体験の大切さが映像に凝縮されていました。どの子どもも、学びを自ら創造し、自走していました

このような、自由な時間にこそ、才能が開花するのかもしれない。そう思わせるのが、科学者アイザック・ニュートンの話です。万有引力の法則の発見や微積分法、光のスペクトル分析など多くの歴史的発見を成し遂げた科学者で、リンゴの実験で有名ですね。

腺ペストの流行があった1665年。世界的科学者のニュートンは、通っていた英ケンブリッジ大学が一時休校となり郊外にある実家に戻っていたそうです。実に2年間に及んだ休校中に、ニュートンは落ちるリンゴを見て万有引力の法則を発見。のちに、このペストによる休校期間を、ニュートンは「創造的休暇」と呼んだそうです。ルーティンがなく、非日常の時間と空間で、人の感覚は研ぎ澄まされるのかもしれません。

自然科学の分野で歴史的功績を残したアイザック・ニュートン。20代前半、休校の時期に万有引力の法則以外にも微分積分やプリズムに関する着想を得たともいわれている Photo by Getty Images