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コロナショックで大苦境の「ホテル業界」いよいよ明暗が分かれ始めた

そもそも供給過剰だったところに…

インバウンド活況から一転

ホテルが取れない! という騒動もまるで昔日の出来事。先日、仕事で京都へ出向くためにホテルの予約をしようしたが予約サイトには信じられない価格が並んでいた。高騰が叫ばれた当時は2万円を下らなかったホテルがなんと5000円。人気のホテルが料金を下げるとドミノ倒し的に他のホテルへも下落傾向は波及していくが、そうした施設では2000~3000円という料金も見られた。

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民泊にいたっては数百円という設定も。このような状況に至ったのは、直近としては新型コロナウイルスの影響が確かにあるが、従前から潜在していた様々な要因も指摘できる。

そもそも訪日外国人旅行者の増加傾向が顕著になったのは2013年頃。同年に訪日外国人旅行者数は初めて1000万人を突破した。その後の増加も著しく、2016年には2000万人、2018年末には3000万人と激増、インバウンド活況を商機と捉えた事業者が、この流れに呼応するかのように次々とホテル計画を立ち上げていった。

ホテル“計画”を立てるのはいいが、訪日外国人旅行者が急増したからといって一朝一夕にホテルは開業できない。新規開業となればプロジェクトのスタートからサービスの開始まで2~3年は要する。すなわち、逼迫(ひっぱく)する需要に対して、直ちには宿泊施設を供給できない状態が続いたのだ。

近年言われた“ホテル不足”とは、訪日外国人旅行者数の激増と、それを受けたホテル開業までの時差がもたらした「一時的なミスマッチ」の側面があったと筆者は分析している。

 

急増したホテルプロジェクトが進み、2018年後半辺りから一気に開業ラッシュとなった。2015~2016年にスタートしたホテル計画が具現化したと捕らえられる。こうして宿泊施設の供給が一気に増加し、加えて宿泊施設全体でみると民泊も激増、需給にミスマッチが出ているのではないかと見るようになった。筆者こうした現況を鑑み、インバウンド依存の危険性について2017年5月に初めてメディアで指摘した。無論、業界関係者からは顰蹙(ひんしゅく)を買った。