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中国政府が、コロナ危機で「戦時ハイ」になっていた…その危うさ

今になって欧米を批判し始めた

中国・報道官の異様なツイート

「米国で最初のコロナウイルス感染者が出たのはいつ? 何人が感染している? 収容先の病院は? 武漢にウイルスを持ち込んで流行らせたのは米軍かもしれないのだ。はっきり言え! データを公開しろ! 米国は我われに説明する義務がある!」

中国外交部の趙立堅・報道官のツイッターでのこの発言が世界の注目を浴びた。

ツイートに添付されていたのは、米国下院で3月11日に行われた、新型コロナウイルス肺炎に関する公聴会の動画で、米国疾病予防管理センター(CDC)のレッドフィールド局長が質問に答えている様子だ。そこでは一切中国については述べられてはおらず、なぜ趙報道官がいきり立ったのか、第三者にはまったく分からない。

さらに同報道官は英語で2本ツイートした後、中国語でまったく同じ内容を2本つぶやいた。しかし、翌日そのうち前述の内容の中国語ツイート1本だけを削除ししている。

中国政府は本気で米軍がウイルスを撒き散らしたと信じているのか? わたしは個人的にはありえない、と思った。

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というのも、新型コロナウイルスの大規模感染発症地となった武漢市にはウイルス研究所があり、そのことからこれまでにも「人民解放軍の研究所から漏れたのでは」という噂が広く西洋メディアでも語られたことがあった。

 

だが、2月になって米国の感染症専門家が「遺伝子配列からすると、突然変異によるものであり、人工的に作られたものではない」と語り、中国こそがこの言葉に助けられて「ウイルス兵器疑惑」から脱することができたばかりだったのだ。米国が武漢にウイルスを持ち込んだという見方はこうした見解に反し、場合によっては中国の状況を不利にしかねない。