憧れの永久脱毛サロンへ。
思っていたのとなんか違う?

中学に上がり、姉から「永久脱毛」の存在を教えてもらったときは、雷を受けたような衝撃が走った。「永遠に毛が生えない」「お手入れせずにずっとツルツル」それは私にとって、努力しなくても手に入る永遠の愛ぐらい、喉から手が出るほど欲しいものだった。姉曰く、それがシティにはあるという。それを聞いた私は、絶対に東京に出たいと思った

有言実行で、私が初めで脱毛サロンに行ったのは大学生のとき。ちょうど20歳の頃だ。当時のエステサロンの永久脱毛は、なかなかに高額で、親の仕送りとアルバイト代を合わせて月13万円ぐらいで生活をしていた私には手の出せないものであった。全身脱毛コースで100万円なんてザラだった。フリーのクーポン雑誌を読んでは溜息をついていたある日、電柱に貼ってあった貼り紙を見つけた。

【2万円両脇 永久脱毛 10年保証】

これだ!ついに時は来た!でも、10年保証ってどういうことだ?

広尾駅近くの電柱だった。テニスの練習のために初めて降りたったおハイソな街の電柱には、こんなお得なチラシが貼ってあるのか!と、田舎者丸出しで人目も憚らず覗き込んで熟読した。チラシの写真を撮り、帰ってすぐに電話をかけて予約をとりつけた。

写真提供/バービー

いざ行ってみると、想像していたエステのイメージとは全く違い、そこは汚くていかがわしい新宿の小さな雑居ビルだった。エレベーターを降りたらすぐ、ピンクのお揃いのTシャツを着たお姉さんたちが3~4人いて、フランクな接客で施術室に通された。ビルの1フロアがこれでもかというくらいにカーテンで仕切られていて、ベッドを可能な限り置いてやろうという“質より量”の概念が丸出しだった

信じられないほどの出力でやっていたのだろう。15年ほど前の話で、今では考えられないが、医療脱毛でもないのに両脇の施術で3回ほど通っただけで、脇毛は生えてこなくなった。

そんな折に、VIOの追加コースの勧誘を受けた。たった2万円でいいと言う。その誘いにのった私は、初めてのVライン脱毛をすることになり、「予め自分の好きな形に整えてきてくださいね」とお姉さんに言われ、ジャングルな私のV毛をどれくらいの面積にするか悩んだ。

旅館の朝ごはんに出てくる味付けのり型が、まだ当時の主流だったのでは?と思うが、私はそれだけは避けたかった。キューピーちゃんのヘアスタイルぐらいの感じで、上部から徐々に薄くしていくパターンにしようと決めていた。

Photo by iStock

ところが、サロンに行く前日にちょっとした事件が起こる。その時、私はハタチのうら若き女子大生。ひと回り以上年上の彼氏の剃毛プレイをうっかり受け入れてしまったのだ。ツルツルな股間になることが、最初から運命で決まっていたかのようなパイパンへのプロローグである。最中は翌日のサロンのことや、お姉さんの『整えてきてくださいね』の言葉もすっかり忘れていた

翌朝になってようやくレーザー照射のことを思い出し、いくつかの言い訳を考えながら、サロンに向かった。しかし、ジョリジョリに剃られた私の丘を見て「全照射ですね。はい、わかりました」とお姉さんに言われ、まだまだ図々しさの欠片もなかったハタチの私は何も言えなかった。