〔PHOTO〕gettyimages

新型コロナ「緊急事態」のウラで、日本人が無自覚な「政治の恐怖」

この2ヵ月、一体何が起きていたのか

自粛・休校はなぜ要請されたのか

新型コロナウイルス感染症が、不気味なかたちで世界に広がっている。

緊急事態が各国で宣言された。

3月末で日本の感染状況も一段階先に進んだようだ。我が国においても今後、緊急事態宣言は、必要である限り出されねばならない。

だが、これを実施すれば、この宣言によって死者さえでるようなものだから、必ずその責任は問われる。政府には、もし宣言を行った場合には、その事態収束後には退陣するくらいの覚悟が必要だと説いてきた(中編「新型コロナ危機、『緊急事態宣言』という『劇薬』の是非」)。

緊急事態宣言は政府に強い権限を与える。それゆえ、プロセスの透明性や、記録の保持が絶対不可欠である。そこでは何よりその政策が科学的根拠をいかに有しているのかが大切だとも(前編「コロナ危機、“科学を軽視する”安倍政権の『限界』」)。

だがこの2ヵ月を振り返ると、すでに私たちは2月26日、27日に行われた安倍首相によるイベント自粛および学校の全国一斉休校の要請によって、すでに擬似的な緊急事態に入っていたようである。

それどころか問題なのは、3月上旬にいったん緊張状態に入ってしまったため、本当に緊張が必要なこれからを前に国民全体に疲れが色濃く現れており、かつ一部には3月中〜下旬に気の緩みも見られて、今後の感染拡大を誘発してしまった可能性さえあるということである。

〔PHOTO〕gettyimages

2月末の安倍首相による疑似緊急事態宣言が、科学的専門家の意見を聞いたものではないことは本人も認めている。2月末は明らかに早すぎたのだ。とくに学校一斉休校については、本当はこれからこそ必要なのにと憤っている関係者は多いだろう。

一体なぜこのような疑似緊急事態宣言ともいえるようなものを、2月末という時期に早まって安倍首相は行ってしまったのだろうか。

この2ヵ月、なかでも2月26日までの間に一体何があったのか。後編ではこの間の国会の動きを確認し、このことについて考えてみたい。

 

以下はすべて報道された内容を整理したものである(おもに朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のデータベースを活用)が、私たちは、新型コロナウイルス問題に惑わされて、この間に政治にどんな動きがあったのかをしばし忘れてしまったかのようだ。

その記憶を取り戻し、いま何が進行中なのかを考察してみたい。