冷静に準備は万全に、が自分も動物も守ることに

さらに、友森さんはこうアドバイスする。

普段から積極的にご近所つき合いをしておくことも役立つと思います。何日も顔を見ない、人の気配がないと思ったら連絡をしてもらうとか、近所の人にもヘルプリストを共有してもらうと、動物が置き去りで飢えないための対策が取れ、安心です。これは今回の新型コロナウイルスだけでなく、色々な災害で役立つポイントだと思います。

また、犬でも猫でも緊急時にすぐに受け入れてもらえる、かかりつけ医やかかりつけのペットホテルなどを作っておけば、大抵は無理を聞いてもらえると思います。私もペットホテルを経営していますが、“親が倒れたから今から飛行機で実家に帰る”など、顧客から緊急の連絡が来ると、満杯でも時間外でも無理をして預かることがたびたびあります。普段から信頼関係を築いておくことも必要ですね」(友森さん)

まずは、現在のかかりつけにしている動物病院やペットホテルに状況を聞いてみるのもいいかもしれない。特に、今回の新型コロナウイルスは、感染症のため預かりなどのケアが個々異なる可能性もある。ちょうど犬の場合は、狂犬病ワクチンのシーズンでもあるから動物病院に行ったついでに、万が一の際はどうしたらいいかなどかかりつけ医に相談してみるのもいいだろう。

また、3月9日に日本獣医師会から、香港で人間から犬に低レベルの感染があったという報道に関しての見解が発表された。「犬や猫にも感染してしまう!」といった声や「犬や猫のコロナウイルスが感染する」といったデマも一部流れた。確かに犬コロナウイルス、猫コロナウイルスはあるが、これらは犬猫の特有ウイルスなので人間に感染することはなく、今回問題になっている新型コロナウイルスとはまったく関係ないものだ、ということは忘れずにいたい。

さらに友森さんは獣医ら専門家とのディスカッションなどから、顧客にはこんなふうにアドバイスしているという。

動物への感染例はレアケースで、本来はウィルスの種特異性があるため、人から動物、動物から人への感染はとても困難で、動物を飼っているから感染しやすいということはないと思われます。物理的なリスクとしては、動きの活発な幼児がいる家庭と同程度と考えられると思います。

動物の毛にウイルスが付着する危険性についても、これは動物の毛じゃなくても、ホコリやほかの物質でも起こりうるので、マメに掃除や洗濯、除菌を心がければ防げることだと考えられます。また、動物の毛は心配であればシャンプーすれば大丈夫だと思います。

感染した人が飼っている動物を預かるときには、シャンプーをしてから、念のため2週間隔離し他の動物と接触させない、ケアするときに注意する、ということを心かければ心配なく預かれるだろうと想定しています。

私は今回の騒動は東日本大震災の時にとても似ていると感じています。福島の警戒区域から出た人や動物から被曝するのでは、と最初は恐れられていましたが、体表に付着しているものを洗い流して移動をすれば問題ありませんでした。放射能とウィルスは違いますが、動物の毛は自然に汚れをはじく性質があるせいか、地表の線量よりも体表の線量の方が全体に低かったのです」(友森さん)

慌てずに、冷静に情報を入手しつづ、ヘルプリストを作っておく。愛する動物たちといっしょにこの困難を乗り切るためにも改めて考えていただければと思っている。

冷静に危機対策をして、人にとってもペットにとっても幸せを保ちたいものだ。photo/Getty images