トップAV女優・紗倉まなが語る、小説で「老人の性」を描いたワケ

最新作『春、死なん』を語る
週刊現代 プロフィール

「願う時に人生を終えられたら…」

――主人公・畠山富雄が家族や健康、そして性について考え、葛藤する様子は、男性が読んでも納得や共感があり、時にハッとさせられます。

よかった(笑)。「的外れだよ」と言われるのがいちばん怖かったんです。もちろん、触れ合っている70代の男性から刺激をもらってはいますけど、富雄は「私自身」を投影させた部分の多い人物で。

例えば、富雄が不思議な目の不調を抱えて眼科に行くシーンがありますが、医者におざなりに扱われた自身の経験を入れて書きました。

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また、タイトルの『春、死なん』の元になった、西行の歌に込められた「自分の願う時に、人生を終えられたなら幸せだろうに」という思いは、妻を喪った富雄の思いであり、私の願いでもあるんです。

家族やセックスの悩みって、年齢や性別をこえた普遍的な部分があると思っていて、属性は違っていても、富雄を書くことは自分自身を書くように楽しかった。

 

もし20代の女性を主人公に描いたとしたら、「これは紗倉まな自身のお話なんだ」と、どうしても私自身の現実と重ねて読まれてしまう。でも、富雄なら躊躇なく自分の内面を描いても、小説として読んでもらえる。不思議な感覚でした。