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トップAV女優・紗倉まなが語る、小説で「老人の性」を描いたワケ

最新作『春、死なん』を語る

妻に先立たれた男の悲哀

――トップAV女優の紗倉まなさんの文芸誌デビュー作です。人間の性、生と死を鋭く捉えた表現力や、リアリティある心理描写力には驚かされました。

しかも表題作「春、死なん」の主人公は妻に先立たれた70歳の男性。紗倉さんとはかけ離れたように見える人物の、心の機微を描いていることも驚きです。

私にとって70歳の男性は、決して遠く離れた存在ではないんです。

AVの新作を発表するリリースイベントに来てくださる方にはその年代の方が多くて、そこでお話をする機会があったり、感想をお手紙で下さったり。遠いどころか、むしろ身近に感じていた存在です。

私が気になっていたのが、東京オリンピック開催などを理由に、エロ本がコンビニの棚から撤去されたこと。事情は理解しているのですが、エロをお仕事としている身としてはやっぱり寂しくて。

エロ本が消えて寂しい思いをするお客様は、デジタルでエロを消費してきた若い世代の方たちではなく、エロ本やアダルトビデオをお店で購入して下さってきた方々だと思うんです。

 

その方々って、どんな人で、どんな人生を生きているのか。それがずっと気になっていました。