新型コロナ「世界的危機」が、日本人の想像以上に深刻である理由

戦略論的分析から見えてくること
佐藤 丙午 プロフィール

バラバラな世界の動き

残念ながら、COVID-19問題が顕在化し始めた2019年11月以降、国際協調が有効に機能したようには見えない。

トランプ大統領が演説でCOVID-19を「中国ウィルス」とわざわざ言い換えたように、感染問題が発生した直後、中国が情報隠ぺいを行ったとの批判は根強い。

さらに、横浜に寄港したダイヤモンド・プリンセス号への対処では、日本の感染症対策に対して批判は寄せられたが、各国・各方面から建設的な協力があったかどうかは疑問である。

〔PHOTO〕gettyimages

そして、2020年3月中旬になり、欧州にCOVID-19が拡大する中で、各国は国境封鎖と国民の移動制限に乗り出した。

これは基本的には隔離による、感染拡大防止のための緊急措置(緩和措置)であるが、欧州諸国内でも実施時期にばらつきがみられるなど、国際協調の下で実施されたものではない。

 

大きな落とし穴

ウィルス対策の終結点は明確であるので、それに向けたタイムテーブルと政策手段の策定が必要なのだが、そこには大きな落とし穴がある。

単純に言うと、過去の経験から、人間をウィルスから物理的に隔離することは不可能であり、もしそれを人為的に行うとすれば、優生保護措置として、差別あるいは感染者の「抹殺」を正当化しなければならない。現代社会において、これは不適当である。

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