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「大丈夫です」は、どうやって「断り表現」に変化してきたか

若者と中高年でこんなに使い方が違う

いったい何が「大丈夫」?

続弾!問題な日本語』(北原保雄編著2005)に次のような質問がある。

[質問]書店で働いていますが、「(本に)カバーはお付けしますか?」と聞くと「大丈夫です」と言われます。答えになっていない気がしますが、いかがでしょうか。                    

このように「大丈夫」を、断る時に用いる新しい用法については、現在に至るまでインターネット上でも多く取り上げられている。1例として、朝日新聞出版のニュース・情報サイト「dot.」の2017年の記事を紹介しよう。

東京・銀座でバーを営むマスター(75)。東京五輪の翌々年、1966年に店をオープンして半世紀、言葉や時代の移り変わりを肌で感じてきた。記者が久しぶりに店を訪ねると、「最近、妙な言葉に出合った」と切り出した。「50代の常連のお客さんが独りで店に来たので、どうしました?と聞くと、20代の若い部下を誘ったけれど断られたって。それはいいんだけど、その断り方が訳わからない。“今晩、一杯飲みに行くか?”って誘ったら“大丈夫です”って言われたって言うんだ。“大丈夫”なら来られるはずだろう。いったい何が大丈夫なんだ?」
(「若者の「大丈夫」の使い方がおかしい…あなたは「大丈夫?」」)

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つい最近も、フジテレビ系のバラエティ番組「痛快TVスカッとジャパン」(2020年3月9日20:00~21:00)で女優の永野芽郁(20歳)が、同様の意味で「大丈夫です」を使っていた。「どんな女性が苦手か」と聞かれた永野芽郁は「プライドが高過ぎて、人の話を聞かない人」と答え、そういう人が仲良くしようと近づいてきた時には、「「大丈夫です」という感じ」と言っていた。

 

ここでもやはり「大丈夫です」という言葉が、「苦手な女性」を「拒否する」という意味で使われていた。彼女の、両腕を前に伸ばして両掌をあげて頭を低くするという、近づく相手を押しとどめるジェスチャーがなければ、筆者は「はい。仲良くしましょう」という、相手を受け入れる返事だと思っただろう。