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新型コロナで「四重苦」に追いつめられた韓国・文在寅政権の末路

複合不況に襲われる韓国経済
武藤 正敏 プロフィール

韓国「格付け低下」リスクが急浮上

コロナの衝撃が本格化すると、政府は文在寅大統領を中心とする非常対応体制を発足させ、危機対応措置を次々と出している。

〔photo〕gettyimages

自営業者や中小企業向けに50兆ウォン(4兆4300億円)の金融支援が発表され、株式市場・再建安定基金などの対策も進められていた。

さらに3月24日の非常経済会議ではこれを倍増し100兆ウォンの企業救護緊急資金を投じることになった。中小企業はもちろん危機を訴える大企業が出てきたので支援規模を大幅に拡大したものと思われる。ただ、中小企業を対象とした低利の融資は申請件数があまりにも多く、審査に2-3ヵ月かかるという。

ただ、今提示されているのは足元の火を消す応急措置であり、コロナ以前から韓国経済は基礎疾患に喘いでいた。昨年の韓国の名目経済成長率はOECD加盟36か国中34位である。製造業生産能力は48年ぶりに最大の下落幅となり、ここ3年で118万ものフルタイム雇用が消失した。輸出は15か月連続で減少し、企業投資は海外に流れた。

 

未曽有の経済危機の前で政府は果敢な財政出動と金融支援を行いつつ、基礎疾患を改善する道を選ばなければならない。

しかし、ここ数年の文政権の放漫財政の弊害で、韓国財政の健全性に疑問が提起されている。2009年3月のIMF危機の時、韓国政府は28兆4000億ウォンの補正予算を編成した。今回は11兆7000億ウォンである。政府は追加措置を考えているようであるが、それは財政の健全性を一層悪化させかねない。

急激に低下した財政健全性が経常収支など対外健全性と重なる場合、「格付けの低下」を招く恐れがあり、そうなれば政府企業の外貨調達コストの増加―>対外健全性のさらなる悪化―>ウォン安―>外国資本の流出拡大の悪循環につながる。