新型コロナ危機、中国の市民が語る「自粛生活」2ヵ月のリアル

そして、欧米の「上から目線」への反発
中島 恵 プロフィール

そんな彼も2月以降、外食などは一切できないまま、ネットで食材を調達して自分で調理し、自宅にこもる生活を続けてきた。3月中旬からは、会員となっているスポーツジムにようやく通えるようになった。しかし、終息に向けては「まだ油断はできない」と気を引き締める。

「今油断したら、この2ヵ月間、中国中の人ががんばってきた努力が全部無駄になってしまいますから、十分警戒しています。マスク、手洗いは欠かせません。会社の人たちも皆、相当気をつけていますよ」

3月12日の上海の様子〔PHOTO〕Gettyimages

彼ら以外にもSNSで意見を聞いたが、「終息モードとはいえ、まだ油断はできない」と皆、口を揃えていた。最初に新型コロナの感染が拡大したのが中国であり、3000人以上の死者が出ているだけに、その怖さを十分に理解しているのだろう。

政府のやり方は正解だったと思う

中国政府が取った厳しい対応については、どう思っているのだろうか。

「個人的には『満足している』とまではいえないですけど、北京や上海に住む私の親族や友人も含め、大方の中国人は『仕方がなかった』と肯定的に受け止め、政府のやり方に理解を示していると思います。政府があれだけ厳しい措置を取ったからこそ、ここまで感染を食い止めることができたのだと。だから、このやり方は正解だった。中国はよくやった、と思っています」(杭州の女性)

 

当初、民主主義国家ではとても真似できない中国式の強引な措置だ、と欧米や日本では見られていた。

「確かにそうでしょうね。私も、中国式のやり方がすべて正しいと思っているわけではありません。外国の方がふだんから槍玉に挙げているように、中国のやり方には問題もある。それは認めます。でも、それは民主主義国家だって同じで、どんな体制でも、すべてが万能とはいえないと思います。ただし、今回は人命に関わること。強いリーダーが強力な手段を取ったことが、結果的に功を奏した。それ自体は率直に評価していいのでは、と思います」(前出の杭州市の女性)。