嬉々として「一億総下請け国家」に突き進む日本人の末路

楽天を叩きGAFAに媚び…これでいいのか?
松岡 久蔵 プロフィール

「楽天叩き」は日本のためになるか

2020年代、日本人も含めた全世界の個人と企業が、このまま「GAFAの下請け」となるしかないのだろうか?

日本にとって試金石となるのが、いま世間を騒がせている楽天だ。ECサイト「楽天市場」を中核事業とする同社は、事業領域が一致するAmazonに対抗せざるを得ないからだ。

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楽天が打ち出した、「送料一律無料化」が、公正取引委員会を巻き込む騒動になっているのは周知の通りである。無料化は出店者側の負担になるとして、不満を持つ出店者が「楽天ユニオン」を結成し、公取委に調査を依頼。立ち入り調査が行われ、東京地裁に送料一律無料化の緊急停止命令を申し立てる異例の事態に発展した。

結局、楽天側は送料無料化を一律に実施することを断念、選択制にしたことで、公取委も申し立てを取り下げた。状況はいったん落ち着いたが、楽天側は一律無料化をあきらめたわけではなく、5月に改めて方針を打ち出すとしており、対立はまだ続いている。

 

筆者はこの問題がどう決着するかに、日本という国の今後の方向性が現れるとみている。つまり――あえて厳しい言い方をすれば――立場の弱い側の言い分にもとづいて、当局が強権的に「正義」を実現することが、長期的にみて本当に日本全体のためになるのか、ということだ。