嬉々として「一億総下請け国家」に突き進む日本人の末路

楽天を叩きGAFAに媚び…これでいいのか?
松岡 久蔵 プロフィール

「プラットフォーマー支配」の現在地

電通による先の調査では、「ネット広告は大型プラットフォーマーを中心にオンライン動画やソーシャルメディア広告が伸びている」と分析されている。「大型プラットフォーマー」とは、具体的にいえばおなじみGoogleとfacebook、そして日本企業ではYahoo! Japanを抱えるZホールディングスなどのことだ。

スマホが普及から一気に全盛を迎え、メディアの状況が塗り変わった2010年代は、その生態系において主導権を握るGAFAが急速に伸びていった。Google(Alphabet)とfacebookの2社だけで、世界のネット広告費の6割程度を独占している。

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単純計算で、2010年から19年までのネット広告費の成長幅は年間およそ1兆3000億円。その大部分が、今後は毎年のように彼らの懐へ入ってゆくことになる。まさしくネット時代の「税金」はGAFAへ支払われる、と表現しても過言ではあるまい。

年間1兆円以上もの資金がGoogleとfacebookに流れ込むのを、もはや止めることはできない。いまやGoogleはネット検索のみならずあらゆる分野へ進出し、AI、さらには自動車・自動運転技術、ロボットといった領域にも参入しつつある。facebookそのものは一時期に比べ廃れた感があるものの、 買収したInstagramが軌道に乗って以降、懸念されていた若年利用者もカバーできるようになっている。

 

今回の電通の調査結果から、「テレビの凋落、ネット時代への本格的な移行」を読み取るだけでは十分でないと筆者は考えている。われわれ日本人が真に直視すべきは、この10年間、数々の「無料で便利」なサービスをいわば先行投資として、GAFAが世界中から「広告費という税金」を巻き上げる構造を粛々と作ってきたという事実だ。