投資の失敗を決断力で乗り越える

2014年、FP協会の研修でNISAの勉強会が開かれることになり、遠藤さんも参加した。講師としてやってきたのがセゾン投信株式会社の中野晴啓社長だ。『投資信託はこの9本から選びなさい』などの著書で知られる人だけに、「買ってはいけない投資信託ベスト10」の話題になった。その中に遠藤さんが買ったばかりの投信が、なんと3本も含まれていた。

「『えっ!本当に!』と焦って、セミナーのあとの懇親会で『私、持っているんですけど、なんでダメなんですか』と中野さんにしつこく何度も質問したんです」

ダメな理由は明確で、3本とも毎月分配型ファンドだったからだ。

毎月分配型というのは、1か月間の運用で生まれた利益の一部を投資家に還元するというしくみだが、分配金を受け取るたびに課税されるし、もうけを再投資して得られる複利運用の効果がなくなってしまう。遠藤さんのような20代なら、今後30年以上は働き続けられるし、投資もずっと続けられるのだから、分配金など不要なのだ。

また銀行の窓口で購入したのも、大失敗だった。
「銀行の窓口で勧められた投信は、ほぼ全部、毎月分配型ファンドだったので、それしか選べなかったんです。さらに購入時手数料が3%ほど取られました。100万円投資したつもりなのに、最初から97万円になっている。その時は気がつかなかったけど、悔しいです。無知って、ほんとにダメですね」

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「投資信託は銀行で買ってはいけないし、毎月分配型もNG。そして純資産総額が少しずつでも増えているのがいいんだよ」というアドバイスを聞いて、遠藤さんは思い切りよく、3本のファンドを全部売り払い、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を購入毎月1万円の積立も始めた。
「ためらわずに即売ったのが良かったんでしょうね。幸い3本のファンドも赤字は出していなかったし、セゾン投信に入れたお金も若干、増えました」