健康であれば働くことができても、不慮の事故や病気で健康を害するのは誰にでもありうること。しかし、悲しいほどに健康上の不運と災害とが重なった時にいったいどうしたらいいのだろう。

お金と人生は切っても切り離せない。自分で決意して生きるためにはどうしても必要なものだ。ライターの馬場千枝さんは自身の失敗も経て投資について学んだという。そしてそこで多くの女性たちの人生にも出会った。自分の足で立って、生きていくために、女性たちがどのようにして困難を乗り越えたのか。「お金と女の人生」連載第2回は、健康を害し、災害の影響も受け、契約社員として苦労をした女性がどのように前に進んだかをお伝えする。

身長が3㎝縮まる大ケガ

健康という、もっとも大切な財産を、ケガや事故で失ってしまう。それは不運としか言いようのない苦しい出来事だ。

アパレル関連の企業で働いていた遠藤晴美さん(仮名)は、23歳の時、倉庫内の作業をしていて、高所から転落。背骨を圧迫骨折してしまった。163センチあった身長が160センチに縮んでしまったというのだから、まさに大ケガだった。

Photo by iStock

いったん地方の実家に戻り、半年の治療の後、仕事に復帰した。しかし無理がたたったのか、背中がどんどん痛くなってきた。

「本当に痛くて、動けないんです。歩くだけで激痛ですし、触るだけで『うっ! 』という感じ。病院で診察してもらうと、圧迫骨折した周囲の骨がさらに3つくらい潰れていました。なぜか骨密度が下がっていたんです。でも原因をいくら検査してもわからなくて……」

結局、仕事を続けることができず、遠藤さんは退職して実家に帰った。家では家事を手伝いながら、カイロプラクティックと温泉に通い、4カ月ほど療養を続けた。幸い、体調がよくなってきたのでハローワークに通うが、田舎には思ったような仕事がない。

「私は大学法学部を出たのですが、法律家でもないし資格もない。漢字検定と秘書検定とヘルパー2級しかなくて。それも学生時代に暇だったから取得したようなものなんです。今から司法書士や行政書士は難しいし。そんなとき、たまたまFPの資格を知って、勉強したらFP2級の試験に受かりました。でも、この資格があるからといって、仕事に就けるわけではないということに、合格してから気がつきました

幸い、地元の大手企業でアルバイトの口が見つかり、イベント関係の仕事を始めた。半年後、契約社員にならないかと誘われ、25歳にして、ようやく社員という立場を手にする。しかし給料は安かった。

基本給は16万円程度。手取りは13万円くらいです。ただイベント関連の業務なので、残業や休日出勤が多かったから、残業代などが上乗せされます。月に100時間以上、残業したときは手取りが30万円になったけど、体はボロボロでした」